17日の日経平均は反落。先週末の米国株の上昇を好感して寄り付きこそ高く始まったものの、その後は一転して売り優勢の展開となりました。
先週末はリバウンドの機運も感じられましたが、早くも急落に対する自律反発が途切れた印象があります。積極的に買い戻す動きがあまり感じられず、先週から続いているハイテク株を中心とした売りの流れは、依然継続しているように見られます。
インフレ懸念 → 金利高 → 緩和縮小(テーパリング)への意識が高まる流れから、ファンドや機関投資家などによる、割高なハイテク株の比率を落とすポジション調整の動きは続く可能性があります。また、下落が始まってまだ一週間ですので、引き続き下げ相場には警戒する必要があると考えております。
振り返れば、昨年のコロナショックから指数が大きく下落する「まとまった調整」はしばらく起きておらず、経験則上いつ大きな調整が起きても不思議ではありません。
ここで言う「まとまった調整」とは、日経平均の値幅で15%を超す様な下落を指しており、景気の動向に拘わらず、株式市場では1年~1年半程度の周期で起きており、決して珍しいものではありません。
これまでの日経平均の急落局面が訪れた履歴を遡ると、
・2020年3月 コロナショック 下落率-32.17%
・2018年 10月~12月 下落率-22.49%
・2018年 1月~3月 下落率-15.66%
・2016年 1月~2月 下落率-25.28%
・2015年 8月~9月 下落率-19.21%
2018年の二度の急落局面では、景気が加速して「金利上昇」が株式急落の引き金となった相場です。2015年~2016年に掛けての二度の急落は、いわゆる「チャイナショック」と呼ばれるもの。
今年の日経平均は、2月16日の高値30714円から5月13日の安値まで‐10.84%の下落を記録しておりますが、今回の下落が上記「まとまった調整」に該当するなら、下落余地はまだ大きくなる可能性があります。
※ 日経平均の日足チャート
目先は日経平均が先週13日の安値を割り込むようなら、200日移動平均(26389円)へ向けた動きが強まり、最終的に同ライン前後まで下落幅が拡大する展開も想定しておく必要があると考えております。
また、今年は3月に行われた日銀の政策点検において、日経平均型ETFの買い入れを停止し、TOPIXに連動するETFのみを買い入れる方針となった他、買い入れルールも大きく変更(非公開)されたことで、4月以降の株式ETFに対する「日銀買い」はまだ1回(4/21)しか行われておりません。
「日銀買い」は、基本的に下落した日に下値を買う操作ですので、今の様な下落局面では下落幅を抑制する効果がありましたが、その反面ボラティリティが高くならない為、押し目買いを好む個人投資家のチャンスを奪うという弊害的な効果もありました。
しかし、今年は「日銀買い」激減していることで、急落相場に発展した場合には、これが「バーゲン・ハンティング」の大きなチャンスになる可能性がります。