先週末は500円近く下げた日経平均ですが、今日は下げた分を取り戻す勢いで大きく反発しております。東京で1日の新型コロナウィルス新規感染者数が3000人超えの常態化が相場の重石となっておりますが、月末月初のボラティリティ拡大はポジション調整に伴う商いが主要因と見ております。
日本も含めたデルタ株の感染拡大が株式市場にとって懸念要因となっておりますが、史上最高値圏で底堅く推移している米国株を見ていると、今のところガツガツ売りが出てくる手掛かりには至っていないように思われます。
基本的には夏枯れ相場で市場参加者が少なく薄商いが続く中、「インフレ、テーパリング、コロナ感染再拡大、チャイナリスク」といった不安要素が、時折り市場のボラティリティを高めている印象があります。
テールリスクの芽として、英国や米国などワクチン接種の進んだ国においてもデルタ株の感染拡大が今後不測の事態を招くことが挙げられます。これが今のところ市場に与える影響が限定的なのは、日本国内も含めて死者数や重症者数が以前の感染拡大期と比べて、かなり低くなっていることが要因と見ております。
しかし、感染力の強さがこれまでのコロナウィルスとは異なり、重症化率が低くても感染者の総数がこれまで以上に大きく膨らめば、医療逼迫を背景に致死率が急増するリスクを内包しておりますので、可能性は低いものの、米国での再ロックダウンといった景気に直撃する事態に発展なれば、金融市場もこれを織り込まざるを得ない状況になると思われます。
現状日経平均は今年の2月高値から10%程下落した水準にありますが、この2月~3月に掛けて出来高が膨らんだ時の信用期日が迫りつつあります。この為、上値の重い状況はもうしばらく続くと見ておりますが、この期日にあたる8月中旬~後半に向けて、需給的には買い場となる可能性があると見ております。
引き続き夏枯れ相場が続く中、不安定な相場が続きそうですが、決算発表シーズンにあることを背景に個別色の強い物色流れが続くと見ております。
※日経平均の日足チャート