日経平均は4週連続の上昇。海外市場が荒れる中、来週の動きに注目

先週(~9/17)の株式市場は、日経平均が週間で小幅続伸となりました。4週連続の上昇ですが、上げ幅は小さくなっております。

新興市場はマザーズ、JASDAQ揃って下落となっており、マザーズは週間で1%程度の下落。日経平均よりも先行して上昇していたこともあり、1か月間の上昇が続いた反動が出てきたものと見ております。

16日木曜日には、中国恒大集団の破綻懸念から、香港や上海市場の大幅下落を受けて、市場センチメントに敏感な個人の売りが加速。この日マザーズは3%を超す下落を記録しましたが、週末は反発して取引を終えている様子から、少し落ち着きを取り戻した印象。

 

※日経平均の日足チャート

 

日経平均の日足は、前の週までボリンジャーバンドの+2σに沿ったバンドウォークが続いておりましたが、先週は伸び悩んだことで、これが徐々に崩れてきた格好。週間で上昇とは言え、中国株の下落が大きかったことや、米国株の調整が本格化してきたことが影響して、上値が重くなってきたものと見ております。それでも海外市場が荒れたことを思えば、日本株優位の動きが続いております。

 

先週(~9/17)の各市場の動き (週間騰落率)

<国内市場>
日経平均株価  30,500.05 +0.39%
TOPIX  2,100.17 +0.41%
東証二部 7,837.90 +0.34%
JASDAQ 197.79 -0.47%
マザーズ  1,165.12 -1.08%
ドル/円  110.00 +0.06%

<アジア市場>
上海総合指数  3,613.97 -2.41%
香港ハンセン  24,920.76 -4.90%
韓国総合株価指数  3,140.51 +0.47%

<米国市場>
S&P500  4,432.99 -0.57%
ナスダック総合  15,044.0 -0.47%
NYダウ  34,584.88 -0.07%
シカゴVIX  20.81 -0.67%

<欧州>
ユーロ・ストックス50  4,130.84 -0,95%
独DAX  15,490.17 -0.77%
英FTSE100  6,963.64 -0.93%
仏CAC40  6,570.19 -1.40%

<その他>
WTI原油  71.97 +3.23%
NY金先物  1,753.95 -2.13%
米10年債利回り  1.363 +1.50%

 

この週の大きな動きでは香港ハンセン指数が-4.9%。上海指数が-2.4%と中国市場の下げ幅が目立ちます。やはり、恒大集団の破綻懸念の影響が大きいでしょう。ただ、この影響が他の金融市場に与える影響は、今のところ限定的である様子が窺えます。

一方で、週末17日のNY市場はダウ平均やS&P500、NASDAQなど主要株価指数が揃って大幅下落となっております。
S&P500の日足は50日移動平均の攻防の末、これを割り込む展開となっており、取り引き終了後の先物は更に下げ幅を拡大しております。

 

※S&P500の日足チャート

 

シカゴのVIX指数(恐怖指数)が20ポイント付近で高止まりとなっていることから、投資家心理も警戒感が高まっている様子が見受けられます。また、17日は米国の株価指数先物がメジャーSQであったことも、この日のボラティリティ拡大の要因にあると見ております。

しかし、S&P500が昨年11月からサポートラインとして機能してきた50日移動平均を割り込んだことはかなりネガティブです。この数か月で1~2営業程度の短期間で割り込む場面は何度かありましたので、来週早々にこれを回復できるか注目されます。

 

来週は21-22日に米FOMCを予定しており、テーパリング議論に注目が集まりますが、先週は米FRBに先行してテーパリングが決まったヨーロッパ市場が軒並み1%近い下落となっている様子から、米国市場も週明けは神経質な展開が予想されます。

最近は米国株の動きと日本株との連動性が乏しい展開が続いておりますが、日本株独歩高とは言え海外市場が荒れると、流石に多少は影響が出てくると見ております。