昨夜米FOMC後のパウエルFRB議長の会見では、FRB当局者の半数(18人中9人)は来年終盤までに利上げが始まると考えていると述べました。前回FOMCでは22年度中に一回以上の利上げを予想したのは7人でした。
また、明言はしなかったものの段階的縮小(テーパリング)を11月に開始する可能性が高いことを示唆。注目すべきはテーパリング終了時期を来年半ばと見通しており、テーパリングは想定よりも速いペースで行われる可能性があります。
会見では依然「足元のインフレは一過性」と強調されたものの、上記内容からインフレを警戒している印象も受けます。
ばら積み船運賃の国際市況であり、インフレの“ものさし”としても意識されるバルチック海運指数は、インフレが強く意識された5月の大型連休明け時点でかなり上昇した印象を受けましたが、現状はさらに水準を切り上げております。夏場からの海運株上昇の要因にもなっております。
※バルチック海運指数
輸送コストの増加は、企業業績の圧迫しモノの価格に転嫁されますので、将来のインフレ圧力に直結します。インフレが落ち着く様子も見られず、長い「一過性」がいつまで続くのか懸念が残ります。
会見の印象として、株式市にはマイナスのイメージがあり、株価は下落を予想しました、マーケットの反応はFOMC通過による安心感と中国恒大破綻懸念の後退で、大きくリバウンドに転じております。
会見翌23日の米国時間(日本時間23:00時点)では、株式市場は大幅続伸。CME日経平均先物は3万円台を回復、CFDでは30200円台で推移しております。
米10年債利回りは上昇、金価格が下落しており将来の利上げを織り込む格好となっているものの、株式市場はやや楽観過ぎる印象を受けます。