上値追いが止まらないウルトラF(4235) 今後の見通しと注意点

ウルトラF(4235)
11月2日の終値は2406円(+101円)となっております。

株価は5週連続(11月2日時点)で上昇が続いており、上値追いが止まらない状況です。上昇基調が続く中でも、信用買い残がさほど膨らんでいないことから、良好な需給状態を維持しているものと思われます。

 

同社は合成皮革メーカーで、主に自動車や航空機の内装、家具、衣料用素材が主軸。製造する湿式ポリウレタンレザーは海外でも評価が高く、売上高の9割は海外向け。合成皮革のプレミアムブランド的な位置づけにあります。

コロナ禍では世界的な経済活動停滞の影響を受け、20年12月期の業績を大きく落としましたが、足元では経済正常化に向けて自動車向けや民間航空機、RV・船舶・トラック向けの需要改善が著しい状況。一部では想定を上回る見込みとなっており、ある意味隠れた「脱コロナ関連銘柄」と言えます。インフレ下での輸送コスト高騰を吸収し、旺盛な需要を背景に業績は・株価共に上振れ基調となっております。

 

ウルトラF(4235)に関しては、弊社有料ポートで投機性の高いファンド資金介入案件として、1300円台で取り上げた経緯があります。また最近になって、この相場に関与する投機ファンドの新たな案件の存在も急浮上しており、今後レポートでも取り上げることになるかと思います。

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※ウルトラF(4235)の日足

 

日足はボリンジャーバンドの+2σに沿ったバンドウォークが継続しており、このトレンドが崩れるまでは上値追いが続く可能性が高いと見ております。RSIは80%と買われ過ぎの目安となる70%を超えておりますが、今年2月の上昇局面では90%台まで買われた経緯があることを考慮すれば、現状の高いRSIが天井を示唆するとは言い切れないと見ております。

ただ、注目すべきは12日に第3四半期(7-9月期)決算発表を控えていることです。

 

ファンダメンタルは良好で通期上振れ期待は高いものの、これまでの上昇で既に株価に織り込まれてきた印象は拭えません。来期も旺盛な需要が期待されるものの、決算を控えて上がってきた銘柄は、発表後に材料出尽くしから調整入りし易い点には注意が必要でしょう。現状の株価の水準から、決算というビッグイベントを挟み、発表後に調整入りする可能性がある程度潜んでいることは考慮しておくべきかと思われます。

決算後の値動きはい非常に予想が難しいことから、決算前の取り回しは思慮深く対応する必要があります。かなり上昇した後なので、ポジションを落として臨むか、すべて売却するか選択する必要があるでしょう。ちなみに決算発表後に調整入りするなら、この銘柄に関しては、再び買い場になる可能性があります。