昨年末の株式市場は、日経平均が4週連続の上昇で幕を閉じました。12月はオミクロン・ショックやインフレ常態化への懸念から荒い値動きを見せる場面もありましたが、日経平均の12月のパフォーマンスは+2.83%となっております。
※日経平均の日足チャート
先週(~2021/12/31)の各市場の動き (週間騰落率)
<国内市場>
日経平均株価 28,791.71 +0.03%
TOPIX 1,992.33 +0.28%
東証二部 7,622.97 +1.35%
JASDAQ 176.69 +0.84%
マザーズ 987.94 -1.54%
ドル/円 115.07 +0.658%
<アジア市場>
上海総合指数 3,639.78 +0.60%
香港ハンセン 23,397.67 +0.75%
韓国総合株価指数 2,977.65 -1.15%
<米国市場>
S&P500 4,766.18 +0.85%
NASDAQ総合 15,645.0 -0.05%
NYダウ 36,338.30 +1.08%
シカゴVIX 17.22 -4.12%
<欧州>
ユーロ・ストックス50 4,306.07 +1.20%
独DAX 15,884.86 +0.82%
英FTSE100 7,384.54 +0.17%
仏CAC40 7,153.03 +0.94%
<その他>
WTI原油 75.35 +2.11%
NY金 1,830.40 +1.12%
米10年債利回り 1.512 +1.76%
BTC/円 5,426,706 -6.45%
日経平均は4週連続の上昇とは言え、先週は+0.03%と伸び悩んだ様子が見られます。一方で、マザーズは前の週に4%を超す強い上昇の反動もあり、先週は下落しておりますが、東証二部が+1.35%、JASDAQが+0.84%と中小型株に見直しの兆しが見られます。
マザーズ指数をはじめ中小型株は、年末に掛けて下値を模索する展開となり、12月のマザーズは月間で5%を超す下落となっております。この様子から、個人投資家のセンチメントは相当冷え込んでいる状況にあると推察されます。
ただ、年末特有の税金対策売りが一巡したほか、32社が上場した12月の「IPOラッシュ」が一巡したことで、年明け以降は短期資金の流れが改善することが期待されます。
IPOは個人投資家の応募が多い為、上場前は資金拘束されて身動きが取れなかった個人資金が、上場後は換金売りで市場へ流れ込む為、今後の中小型株セクターの需給は大きく改善することが見込まれます。また、マザーズ指数は2021年の年初来安値圏に沈んでおり、他の市場よりも見直し余地が大きいことも、買いを誘い易い要因になると考えております。
過去を振り返っても1月は新興市場のパフォーマンスが特に良くなる傾向が見られ、12月の下落は季節性に依るところが大きいことから、1月はその反動で高成長が期待できる中小型株を中心に、投資資金が入り易くなり背景があります。
※マザーズ指数の日足チャート
年末年始で市場が閉じている間の懸念材料としては、足元でコロナ感染の急拡大が懸念されます。米国では感染拡大に加えて天候不順の影響もあり、年明けの航空便キャンセルが相次いでおります。感染拡大は昨年末から続いており、昨年末12月31日の米国市場の動きを見る限りは、市場の反応は限定的でしたが、年明けの動きはやや気掛かりです。
国内市場は3日まで休場ですが、欧米市場は一足早く3日から取引が開始されますので、新年相場の序盤の動きを見極める上でも、3日の海外市場の動向が注目されます。