マーケットは自律反発の域を出ない状況、今後の方向性が試される

 

先週の株式市場はリバウンドの流れが本格化する中、meta(旧Facebook)やアマゾンといった米巨大ITテック企業の決算発表に大きく振らされる展開となりました。

米国株だけでなく、日経平均やTOPIX、マザーズ指数といった国内市場においては、依然リバウンドは自律反発の域を出ておらず、買戻しも「上値を長期で買っていく」という姿勢はまだ少ないよう見られます。

 

先週はECB(欧州中央銀行)やBOE(英イングランド銀行)などの金融政策も発表されましたが、どちらもタカ派色が強く世界的な「利上げ加速」の流れが鮮明となりつつあります。

また、週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比46万7000人増(市場予想+15万人)、加えて先月発表された12月の雇用者数を19万9000人増から51万人増に上方修正されております。これはかなり強い景気回復を示唆する内容で、インフレを懸念するFRBにとっては利上げ加速を後押しする内容と言えます。

 

利上げ懸念が高まっている為、引き続きハイテク株には不安定な試合が続きそうで、これに振らされる日本株も同様に不安定な局面が続く可能性があります。

 

日経平均及びマザーズの日足をテクニカルだけで判断すると、目先は戻り継続で25日移動平均を試す展開を期待したい局面ですが、市場を取り巻くファンダメンタルズは、金融政策の世界的なタカ派シフトが鮮明(利上げペース加速)なことや、米雇用統計で強い景気回復が示唆されたことで、尚の利上げペース加速が意識されやすい状況です。金利上昇を警戒する株式市場にとっては逆風と言えます。

 

現状は「リバウンド継続」か「戻り一巡」かの見極めが非常に難しい局面ですが、先週は上記のように株式市場にとって厳しいイベントが続いた割には、週間を通して底堅さも出てきた印象があります。今後上下どちらに振れても不思議ではない局面ですが、個人的には日経平均やマザーズが先週高値を上抜ける展開を期待しております。