「空中ディスプレイ」のアスカネット(2438) 短期目線では警戒感が高いが・・・ 今後の相場見通し

 

アスカネット(2438)
2月10日の終値は1200円(+183円)となっております

今日のアスカネット(2438)は前日比18%近い急騰。同社の「空中ディスプレイ」技術への関心が高まる相場へ発展しております。ただ、注目すべきはその出来高の大きさであり、これはかなりの強い買い圧力を示唆しております。

以前、アスカネット(2438)が同様の出来高規模を見せたのは2017年の急騰相場時ですが、この時は短期で170%を超す相場に発展した経緯があります。

 

今回の相場もこの時と同様の展開へ発展するとは言いませんが、現状はその半分にも満たない上昇率であることや、材料性の高さからしばらくは関心を集める相場になりそうです。

同社の「空中ディスプレイ」技術である「ASKA3D」は、空中に映し出された映像やパネルに触れて操作することが可能で、注目すべきは「総非接触」で操作が可能なことです。

 

出典:「ASUKA3D」のサイトより

 

現状はコンビニなどのPOSレジや、マンション、オフィスエントランスに設置した来訪者受付機の操作パネルなどで実証実験中ですが、将来的には作業現場や車載用操作パネル、飲食店、医療現場など活用シーンは多岐にわたります。

この相場は、1月28日に発表されたセブンイレブンのASKA3Dプレートを使用した非接触・空中ディスプレイPOSレジ「デジPOS」の実証実験を開始するとのIRを受けてから、出来高が急増した経緯があります。

 

1月後半と言えば、地合いはハイテク売りの真只中で、株式市場は下値警戒感が最高潮に達していたタイミングでもありますが、買い材料の乏しさに辟易していた矢先、同社の「ASKA3D」の近未来的技術に心を奪われた投資家も多いと見ております。

この銘柄に関しては、株価が2020年3月のコロナショック直後の安値圏に沈みながらも、四半期決算の推移では売上高の回復基調が見られることに注目して、昨年末頃に有料レポート配信。また、ヘッジファンド絡みの案件として取り上げた経緯があります。

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※アスカネット(2438)の日足チャート

 

現状は、この手の投機性の高い銘柄へ短期資金が集中し易い地合いでもありますが、この相場は既にマネーゲーム化していると言えます。時価総額210億円のマザーズ銘柄ですので、今日の売買代金から察するに、日計りなどの回転売買で嵩上げされている感は否めません。この為乱高下の展開は続く可能性が高いと見ております。

弊社「有料レポート」で提示した目標株価にはまだ届いていませんが、今日の値動きの様にこれだけ激しい売買が繰り広げられている状況から、短期需給の反転サイクルは早く、マザーズ銘柄急騰時の特徴とも言える5日移動平均線を「短期需給の転換トリガー」として注目すべきと考えております。

 

あくまで短期目線のトリガーですが、今後は終値が5日移動平均を割り込むと、短期需給が「買い」から「売り」へ一転する可能性には注意が必要です。

ただ、中長期的には依然5年ぶりの安値圏にあることや、現状はまだ収益性に乏しい段階である「ASKA3D事業」だが、目先は「POSレジ」や「空中タッチインターホン」から果ては「メタバースとの融合」など、将来性に対する「期待感」や「思惑」が先行し易いフェーズにあることを考慮すると、まだまだ注目に値する銘柄であると見ております。

 

※アスカネット(2438)の長期チャート(週足)