物色の矛先はウクライナ情勢の緊迫化を受け、コモディティ市況が活況となっている背景から、原油、石炭をはじめとしたエネルギー関連株をはじめ、リチウムイオン電池向け鉱物資源であるニッケルなどのレアメタルに関する化学株などへ短期資金が流れている状況。
また、海運株が強さを見せている他、防衛関連銘柄にも買いが向かうなどウクライナ情勢を背景とした物色がメインとなっております。
エネルギー価格の上昇に歯止めが掛からない背景から、世界的に原発依存に注目が集まる流れも沸々と出てきている印象があります。ただ、エネルギー関連の上昇はかなり行き過ぎた面もあり、商品市況は理性を失いつつある様子から、どこまで上昇するかわからない反面、同時に下落リスクも日増しに高くなっている点には注意が必要です。
中小型株市場のマザーズは2週続落となっております。
※マザーズ指数の日足チャート
1月の年初来安値を試す日経平均やTOPIXと比べ底堅い印象はあるものの、他の指数と異なり、12月以降の下落幅が40%近い大幅安となった反動も、この底堅さに影響していると見ております。
また、現状は日経平均やTOPIX連動の大型株はウクライナ情勢の先行きが見えない状況から手掛け難い面があり、個別株へ短期資金が流れ易くなっていることも小型株に分がある要因と見ております。
中小型株に対する物色は、選別色が強いものの値頃感が出てきている銘柄も多く、投機性資金もこの点に着目した動きが出てきております。短期筋の動向も、既に大きく上昇している商品市況絡みの銘柄を徐々に利食い、次なる物色候補へ資金シフトしていく段階にあります。
中小型株の中には、ファンダメンタルズ的に成長期待を維持しながら、ウクライナ情勢の緊迫化の地合いで売られてきた銘柄も多いことから、市場全体の動きを把握した上で、中小型株の動きにも注目していく局面と見ております。
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