先週のマーケット 週後半から流れが変わった印象

 

先週は序盤こそ欧州株のリバウンドが日米株の上昇をけん引。一時は底打ちも期待された株式市場ですが、週末に掛けて弱含む展開へ。10日のECB(欧州中央銀行)政策会合以降、流れが変わった印象があります。

 

先週(~3/11)の各市場の動き (週間騰落率)

<国内市場>
日経平均株価  25,162.78 -3.17%
TOPIX  1,799.54 -2.46%
東証二部 6,973.86 -1,48%
JASDAQ 156.55 -2.36%
マザーズ  670.08 -7.52%
ドル/円  117.38 +2.27%

<アジア市場>
上海総合指数  3,309.75 -4.00%
香港ハンセン  20,553.79 -6.17%
韓国総合株価指数  2,661.28 -1.92%

<米国市場>
NYダウ  32,944.19 -1.99%
NASDAQ総合  12,843.81 -3.52%
S&P500  4,204.31 -2.88%
シカゴVIX  30.75 -3.85%

<欧州>
ユーロ・ストックス50  3,686.78 +3.68%
独DAX  13,628.11 +4.07%
英FTSE100  7,155.64 +2.41%
仏CAC40  6,260.25 +3.28%

<その他>
WTI原油  109.20 -5.60%
NY金  1,992.25 +1.30%
米10年債利回り  1.997 +18.65%
BTC/円  4,541,908 +2.70%

 

先週は、先進国の中央銀行イベントでは「ロシアのウクライナ侵攻以降で初」となる、ECB(欧州中央銀行)の政策会合(10日)に注目が集まりました。

ウクライナ情勢の緊迫化で世界的景気減速への懸念が高まっていることもあり、市場はハト派寄りの政策転換を予想。しかし、これに反してECBは金融緩和解除の加速を示唆。ECBは景気減速よりもインフレ懸念を重要視するスタンスを示しております。

 

ECBによるタカ派寄りの発言を受け、リバウンド基調だった欧州株は週末に掛けて弱含む展開に。この影響は米国市場にも出ており、NYダウは週末に掛けて下げ幅を拡大しております。また、米10年債利回りも再び上昇基調を強めており、これを受けてドル円は117円台と、2017年1月以来の円安に振れております。

この動きから、今週15-16日に予定されている米FOMCにおいても、FRBが景気減速懸念よりもインフレ対策を優先して「0.5%の利上げに踏み切るのでは」との見方が強まった印象があります。

 

一方、CMEのFed watch tool を見ると、11日時点では依然0.25%の利上げ予想が依然90%を超えております。これは週末に掛けての金融市場の動きとは異なり、市場も意見が割れている様子から、やはり今週のFOMC前後はボラタイルな動きが予想されます。

 

ただ、先週は高騰していたコモディティが崩れ始めているほか、ウクライナと地理的に近い欧州の株式市場に強いリバウンドを見せるなど、金融市場の動きにも変化の兆しが見られます。

先週末のマーケットの弱さから、このリバウンドの流れが一過性なのか、それとも継続するのかの判断は難しく、今週も値動きの激しい相場が予想されます。この為、値動きに自律性の無い日本株は、海外市場の動向に振り回されることになりそうです。