先週(~3月18日)の株式市場は大きく戻りを試す展開。警戒された米FOMCも難なく通過し、週末に掛けて上昇が続いたことで、市場心理が安堵した様子が見受けられます。
FOMCで発表された内容よりも、FRBの今後の利上げスケジュールが示されたことで、金融政策に対する「先行き不透明感」が後退したことが「市場の安堵」に繋がったと見ております。
また、ウクライナ情勢では、先週は進捗が期待された停戦交渉も再び膠着の兆しを見せており、市場では「先行き不透明」な材料として残留しております。
しかし、「ロシアデフォルト」「金融制裁の長期化」といった世界経済に与える影響に関しては、マーケットでは先週時点で十分想定し得る事態として織り込まれている印象があります。
テールリスクとして、ロシアの軍事戦略が想定以上に過激化することが考えられます。「生物兵器」や「核」など非人道的兵器の使用といった過激なワードが意識されるようなら、マーケットも過敏に反応する懸念があるでしょう。
ただ、足元の値動きから市場心理としては、今のところこの可能性は低いと見ている様子が窺えます。故に、可能性が低い反面、マーケットに織り込まれていないリスクとして認識しておく必要があります。
※ 日経平均の日足チャート
日経平均の日足は、短期目線では年初からの急激なダウントレンド(赤線)を脱しつつあります。この兆候は欧米の主要株価指数の日足からも見受けられます。
今後はどこまで戻すのかが注目されますが、目先は2月10日の戻り高値である27880円を意識した展開を想定。先週は大きく戻していますので、今週は戻り売りが意識される場面も出てきそうです。
従い、指数については先週の様な大きな上昇は期待し難いと見ております。
一方、指数が安定して底堅い動きとなるのであれば、短期資金の矛先は指数と連動性の高い大型株から、個別の材料株へ向かう可能性が高まると見ております。