利上げ加速への警戒感が高まり、週末のNY市場は急落。日本株も波乱の展開へ

 

週末22日の日経平均は、米国株が大きく下げたことを受けて4営業日ぶりに反落。今週は一時27500円付近まで回復し、日足は25日移動平均線上へ浮上する場面もありましたが、結局これを割り込んで取引を終えています。

週足では2週連続の上昇となったものの、その値幅は小さく100円程度。一方、足元の円安加速を背景にドルベースの「ドル建て日経平均株価」は4週続落。外国人投資家の目線では、日経平均は3月初旬の安値を下回り、年初来安値を更新している状況にあります。

 

また、21日および22日夜のNY市場が大きく崩れていることから、来週は下げ幅を拡大する展開からのスタートとなりそうです。

 

週末の米国市場は、ダウ、S&P500、NASDAQが揃って3週続落。特に22日の下げが大きく、ダウは一時1000ドルを超す下落幅を記録。まさにショック安の様相。

背景には、5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、FRBの利上げ加速ムードが以前にも増して高まっていることが挙げられます。

通常は一度に0.25%の利上げが慣例となっていたFOMCにおいて、5月に0.5%の利上げ、6月に0.5%の利上げを織り込んできた市場。しかし、21日にパウエル議長の「利上げ幅0.5%も検討」発言の他、他のFOMCメンバーが一度に0.75%の利上げの可能性を示唆するなどインフレ抑制に躍起。

 

これまで何とか利上げ加速に堪えてきた米国株も、一層の引き締め観測で利回り急上昇の織り込みに追いつけていない印象があります。このショックが21-22日に掛けて米株式市場で露呈した格好。

インフレ対応で後手に回ったFRBが「インフレが抑制」に重点においた強い姿勢が窺える反面、市場の混乱は「二の次」としている印象は拭えません。

 

また、「利上げ加速」に対する反応は、これまでハイテク・ITテック株比率の高いNASAQが強く売られる傾向にありましたが、今週末は主要指数が揃って大幅安となっています。この様子から、急激に利上げに対する景気後退(リセッション)懸念も滲み出てきた感があります。

株式市場の乱暴な下げ方から、目先は再び厳しい局面を迎えそうです。

 

一方、来週の国内市場は大型連休を控え、米国市場で大荒れの兆しが強まっていることを背景に、連休中の持ち越しを嫌った投資家の売りが出てくることが懸念されます。NY市場がかなり荒れている他、5月3日~4日に米FOMCを控えていることもあり、来週の株式市場は世界的にリスクが高まりつつあります。