先週は27日には重要イベントである米FOMCを通過。2か月連続の0.75%の利上げを決定。この点は市場の想定内の結果であった為、発表後のマーケットは買いで反応。これまで厳しい利上げを想定して織り込んできた市場関係者に、買い安心感が台頭した印象があります。
また、週末には2022年4-6月期の実質GDP成長率が発表されましたが、結果は前期比年率-0.9%と2四半期連続のマイナス成長。米国では2四半期連続のGDPマイナス成長は、景気後退局面と判断されます。
しかしこれは、景気を冷やそうと実施してきたFRBの金融引き締め政策が奏功してきたことを意味し、今後のインフレ抑制期待に繋がります。
「景気後退なのに株高」という動きに違和感もありますが、物色対象の内容を見ると、今年前半までの「グロース売りバリュー買い」の動きから変化が見られます。
最近は一転して景気敏感株の多いバリューやエネルギーが売られ、景気後退に強いグロースが見直され始めています。この物色の変化には注目すべきです。
「景気後退」が意識される局面ですので、何でも買われる全面買い相場とはなり難いものの、今年前半に売りが集中したハイテク・グロース株には見直し余地が出てきています。このように物色の流れが今年前半とは変わってきている点には注意が必要で、今後も選別が重要な相場が続くと見ております。
また日本株で注意すべきは、利上げ期待が後退している為、円安から円高にシフトする兆しが出てきていることに注意。これまで円安が日本株を底堅くさせていた側面がありますので、今後円高に転じるのなら、日経平均などの指数は上値の重い展開を強いられる可能性があります。
一方で、グロース株見直しの流れからマザーズ指数などグロース株指数が、日経平均よりも優位となる可能性があるでしょう。