円高加速で日本株は失速

 

先週は12日発表された12月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを受け、米国株が堅調。一方、この発表を境に、ドル円は円高に振れており、日本株にとっては売り圧力となっています。

昨年(2022年)は歴史的円安の影響で、国内主要株価指数は米国株式指数ほど下げませんでしたが、今年は日銀の金融政策が一転したことで円高の流れ。激しい円高が日本株の上値抑制要因となっています。

 

現時点で、日銀の出口戦略がどの程度(ペース、頻度)で進むのか先行き不透明感が強く、株式では警戒感が強い状況が続きそうです。

円高が強まった先週12日のCPI発表以降、利上げ期待が後退する米国株と、利上げ期待が高まる日本株とでは明暗がかなりはっきりしています。

 

※ ドル円の日足

 

※ 日経平均の日足

 

※ NYダウの日足

 

ドル円が151円台でピークを付けたのは昨年10月21日。11月後半から円高が加速すると日経平均の上値が重くなっている様子が見て取れます。

そして12月20日の日銀金融政策決定会合で、歴史的政策変更が発表されてからは、ドル円と日本株の下落基調が鮮明に。

 

投資家は「まえのめり」で日銀の利上げを織り込む傾向がある為、円高の影響も加わると、米国株ほどのパフォーマンスは期待し難いと見ています。

今週は17日と18日、日銀の金融政策決定会合が予定されており、会合後の黒田日銀総裁の記者会見で「再び利上げに触れるのか」などに注目が集まります。