1月末頃から、株式市場は上値が重い展開が続いています。足元の投資家マインドは値幅調整に対する警戒感が強まっている様子も窺えます。
しかし指数の動きを見ると、日経平均は昨年末の水準から約5.5%、マザーズ指数は約5%高い水準で推移。これは想定よりも底堅い動きと言えます。また、米国株の主要株価指数に関しても同様の動きとなっています。
調整が意識されると総崩れになる新興株についても、マザーズ指数の動きは出来高も高い水準を維持しており、760ポイント付近では押し目買いを意識した買いが入っている様子が見られます。
この様な動きから、株式市場は1月上昇に対する反動から2月は調整との見方に変わりありませんが、基本的に今年の株式市場の「押し目は買い」との見方も変わっていません。
なぜなら、インフレと金利上昇の恐怖が一年前とは大きく変わっているからです。
今年が昨年の相場と異なる点として、米FRBは2月1日のFOMCで既に「ディスインフレ(物価上昇の沈静化)」を意識した発言が出るなど、金融市場を取り巻く環境は大きな転換の兆しを見せています。
一年前は先の見えないインフレと金利上昇の恐怖が市場を覆っていましたが、今年はこの懸念が大きく後退しています。
また、株式市場は昨年の大幅安の後ですので、市場の取り巻く環境が好転すれば、見直され易い水準にあるのも事実。この為、今年は年間を通して見直しムードが続く可能性があり、下押す場面があれば買いの好機と見ています。
また、今の市場のムードも強気一辺倒でない様子からも買い安心感があります。これが強気一辺倒であれば、投資家は戻り天井を意識する必要があるでしょう。今は「懐疑の中で育つ」相場展開をイメージ。昨年の相場ほど悲観的ではない。
一方、注意点として「日銀の政策修正」に注意しておく必要があります。日本株にとっては先行き不透明感の強い要素の一つであり、株式市場への影響も大きい材料です。