銀行ショックで金融不安が続く一方、利上げ打ち止めやペース緩和期待が浮上

 

きょうの日経平均は27000円付近まで下落。先週末からの突然の米銀破綻が相次ぎ金融システム不安が高まっています。加えて、スイスの金融大手のクレディ・スイス・グループの経営不安が火に油を注ぐ格好となっています。

 

※ 日経平均の日足

 

 

破綻した米銀は規模も小さく、この問題に関して市場は落ち着きを見せつつありますが、クレディ・スイスに関しては米銀破綻とは個別の問題ではあるものの、規模の大きさから世界の銀行に大きな打撃を与える懸念が浮上。

日経平均は3月序盤こそ28000円台を回復しましたが、一連の騒動で27000円付近まで押し戻されています。一方、今週の米国株市場は悲観しながらも、先週末の水準とあまり変わらず底堅い動きとなっています。

 

※ S&P500の日足

 

米国株が日本株よりも底堅い背景として、今回の米銀破綻を受けて、市場はFRBの利上げ政策の弊害を意識さ。今後の利上げ打ち止め、またはペース緩和への期待が浮上していることが挙げられます。

利上げ政策で昨年は最も売られたNASDAQが今週は上昇しているほか、この期待感は債券市場で米国10年債利回りが急速に低下している様子からも見て取れます。但し、この影響が円高を招いており、日本株にとってはマイナスに作用しています。

 

金融不安が高まるなか、利上げ打ち止め期待が米国株の下支え要因にとなる一方、円高を誘発していることで日本株が相対的に弱くなっている背景があります。

3月の株式市場は、突然の米銀破綻で想定外の展開となっていますが、今年は株価回復の年との見方に変わりはありません。目先、金融不安による株安局面は買い場と認識しています。