夏相場、方向感に乏しい局面が続きそう

 

日経平均は6~7月に掛けて33700円台の年初来高値を付けてからは、調整が続いています。未曽有の金融緩和で世界的資産高となった、コロナ禍に付けた2021年のバブル崩壊後の最高値を更新しています。

この動きは、依然2021年の高値を突破していない米国株式とは異なる動きですが、背景には急激な円安の影響がかなり占めています。

 

ドルベースでの日経平均株価のチャートを見ると、ドル建てでは2021年の高値は依然更新できておらず、外国人投資家目線ではS&P500などと同様のチャートを描いています。

そのドル円相場ですが、今年は年初の安値128円から上昇を続け、6月には高値145円台までありました。これは日経平均が高値を付けたタイミングが、円安のピークと合致しています。

 

ドル円相場に影響のある米国金利の動きは、今年はインフレもピークアウトした状況となっており、昨年ほど投資家の利上げに対する期待値は高くありません。この為、年始からの10年債利回りも3.3%~4.1のレンジで上下に緩慢に推移しており、昨年の様な明確な上昇トレンドは見られません。

マーケットではインフレが鎮静化しつつことが意識されており、今後の利上げ期待は高くありません。しかし、米国の金融政策が利下げに転じる状況にも至っていないことも事実で、株式市場もしばらくは方向感を見出しにくい局面が続くと見ています。