週末の日経平均は下げ幅700円を超す大幅反落

 

 

日経平均株価は前日比で2.0%安となり、3月15日以来の安値となりました。この下落の背景には、イスラエルとイランの間での緊張の高まりから、米国株が下落したことを受けて日本株もリスク・オフムードが強まった格好。地政学的リスクを嫌った投資家が、リスク資産である株式を売りに出ている様子が窺えます。

先週までの米国株が市場最高値を更新していた状況からは一転しており、昨年秋からの株高トレンドに黄信号が灯りだした印象を強く受けます。たしかに、相場の過熱感を指摘する声は以前より取り沙汰されていました。タイミング的には調整を意識する局面かもしれません。

 

※ 日経平均株価の日足

 

日経平均の日足は、今年に入ってから上昇する25日移動平均線(チャート上緑線)に下値をサポートされてきましたが、今週は同ラインを割り込んでおります。現状は3月中旬の短期調整時の安値(3月12日38271円)を維持していますが、今後この水準を割るようであれば、赤信号と捉えましょう。

それ以上に、上記の25日移動平均を割り込んだことの方が先々のトレンドを占う上では、かなりネガティブな出来事です。

 

さらに、円相場も注目すべきポイントです。ドル円が150円台前半で高止まりしている点も気掛かりです。この水準は2022年及び2023年の高値水準にあたり、戻り売りが出易い水準でありながらも、3月中旬からもみ合いが続いています。これまでのドル円のトレンドから、今後上に抜けてくる可能性が高まりつつあります。円安については、かつては日本株にとってプラス作用がありましたが、円安が加速する昨今では、国内景気や庶民の暮らしへの影響が大きいことから、市場でもマイナス要因として反応するケースが目立ちます。

 

何やら、マーケットの先行きに不穏な空気が漂い始めた印象が強く、意識しておきたいのは「昨年秋から続く株高トレンドの転換」です。仮に今後、株式市場でまとまった調整が起こること自体は、株価変動のメカニズムから適正な動きといえます。市場の変動は予測不可能であり、投資家としては常に次の調整局面に備えることが重要です。持ち株のウェートを徐々に減らし、現金化することは、市場の不確実性に対する一つの戦略として有効です。攻める姿勢も大切ですが、守ることも忘れずに。