個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。しかし、広大な金融マーケット全体のマネーの流れを把握していくことは個別株においても非常に重要です。
きょう(8月16日)の日経平均株価は、前日比1336円の上昇を見せ、今年2番目に大きな上げ幅を記録しました。これは8月初旬の日銀利上げショックに伴う、急激な下落からの回復基調が続いています。
市場の動向を予測する上で、日銀の動向と米国経済の景気後退懸念が大きな悪材料と考えられますが、最近発表された米国の小売売上高や消費者物価指数(CPI)のデータは、米国経済が穏やかに減速するという期待が再び高まっていることを示しています。
これに加えて、恐怖指数として知られる米国のシカゴVIX指数も、一時は60を超えていたものの、現在は警戒ラインである20を大きく下回っています。これらのデータを総合すると、市場は「通常の相場」に戻りつつあると考えられ、過度の悲観が後退する地合いのなかで、物色は急落に対する見直しの動きが本格化しています。