個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
きょうの東京株式市場は、前日までの軟調な地合いから一転し、大幅に反発して取引を終えました。イスラエルとイランが米国の仲介により停戦合意に至ったとの報道が入り、中東情勢の緊張が緩和されたことが市場心理を大きく好転させました。日経平均株価は前日比436円47銭高の3万8790円56銭と、4営業日ぶりの上昇を記録しました。
この停戦を受けて原油価格が急落し、エネルギーコスト高への懸念が和らいだことも株価上昇を後押ししました。加えて、地政学リスクの後退により為替市場では円高が進行し、リスク資産への投資意欲が回復したことも寄与しています。
また、グロース市場でも、きょうは短期資金が戻ってきた印象です。グロース250指数は依然として調整局面にあると見られますが、値動きの軽い小型株を物色する流れは継続しています。銘柄選定選別の難易度はやや上がりつつあるものの、短期的な物色意欲は依然として活発です。
ただし、停戦の継続性には不透明感も残っており、今後の情勢次第では再び地政学リスクが台頭する可能性もあります。市場は引き続き中東情勢の推移を注視する展開が続くとみられます。