個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
日経平均株価は12月8日、90円高と小幅に反発しました。前場は米国株高を受けて一時150円を超える上昇となりましたが、FOMCを控えた慎重姿勢から中盤は一時マイナス圏に沈み、方向感を欠く展開となりました。指数寄与度の大きいハイテク株が軟調だった一方、内需株に底堅い買いが入り、指数全体を支える形となりました。
一方、グロース市場では個別物色が継続し、小型株を中心に資金が回り始めています。依然としてグロース市場指数は安値圏に沈んでいるものの、材料株への資金流入が復調している点は評価したいところです。直近は業績安定や需給の改善を背景とした戻り局面が目立ち、過度な弱気センチメントは後退しつつあります。ただしテーマ株への集中はまだ限定的で、値幅狙いの短期資金が散発的に動く程度にとどまっています。
東証全体としては、大型株が方向感を欠くなか、内需と小型株に支えられる“底固さ”が意識される相場で、イベントを見極めたい投資家が多い印象です。強弱材料が交錯するなか、個別株への資金循環の兆しは小さくとも前向きな変化として捉えています。


