ピーエス・コンストラクション(1871)
2025年12月26日の終値は2866円(-7円)となっています
11月以降、同社株は業績改善と需給の変化を背景に明確な上昇基調を示しています。ただ、この値動きは建設DXといった流行テーマの連想も働きますが、実際には国土強靱化やインフラ更新といった物色テーマと、業績・株主還元の変化が主因と考えられます。現在の株価水準が、実際の業績や将来の収益力を踏まえて妥当なのかを整理することは、この相場を読み解くうえで重要となります。
ピーエス・コンストラクションは大成建設グループに属し、PC(プレストレストコンクリート)技術を強みとする中堅ゼネコンです。橋梁建設や高速道路リニューアル、更新・修繕を中心としたインフラ更新分野を物色テーマとする相場において優位性を持ち、耐震性と施工効率に優れるPC建築でも実績を積み上げています。
また、この銘柄に関しては、弊社有料レポートにおいて1,800円台前半で配信した経緯があります。
今回の上昇相場の起点は、11月11日に公表された2026年3月期の業績予想修正と年間配当102円への大幅増配です。上期における設計変更の獲得や原価改善といった実務の積み重ねが反映された内容であり、期待先行ではない点が市場から評価されました。この発表を境に、配当利回りや利益水準を基準とした市場評価へと移行し、株価の評価レンジが一段切り上がったと捉えられます。
一方で、この局面には投機系ファンドや短期志向の投機筋も参入していました。11月上旬、出来高を伴って2,000円台前半を一気に駆け上がった値動きは、業績裏付けのある銘柄を対象に、流動性の薄い価格帯を突く典型的な仕掛け相場と重なります。ファンダメンタルズがしっかりしていたからこそ、こうした手法が機能したと見るのが自然でしょう。
※ ピーエス・コンストラクション(1871)の日足
テクニカル面では、日足でボリンジャーバンド+1σに沿った上昇が一巡し、足元ではMACDの伸びが鈍化するなど、上値の重さが意識され始めています。価格帯別出来高では2,000〜2,400円に厚い支持帯があり、ここが相場の下支えとなっています。
一方、2,800円台後半から上は出来高が薄いものの、更なる上値追いには新たな材料が必要な局面です。目先は2,700円前後を維持できるかが分岐点です。仮にこれを割り込むようであれば、25日移動平均やボリンジャーバンド−1σ付近まで調整する可能性があります。
これまでの上昇過程を振り返ると、投機マネーによって短期的に株価が押し上げられた局面があったことは否定できません。特に、出来高が急増した局面では、需給の歪みを突いた値幅取りが意識されたと考えられます。ただし、その一方で、業績予想の上方修正や増配といった事実が示す通り、収益力そのものが改善している点も重要です。
インフラ更新や国土強靱化といった需要は一過性ではなく、一定の持続性が見込まれる分野であり、これが株価の下支え要因となっています。結果として、この相場は投機的に「作られた」側面と、ファンダメンタルズによって「支えられている」側面の両方を併せ持つ構造と言えるでしょう。
目先、投資家が注視すべき点は、出来高と業績・配当の変化です。高値圏で出来高が細る場合は短期資金の後退に注意が必要です。一方、利益見通しや株主還元姿勢に大きな変化がなければ、下値では中長期資金が入りやすい構造と考えられます。短期的な値動きに振り回されず、需給とファンダメンタルズを軸に冷静に判断する局面と言えるでしょう。
現在の市場では、投機性の高い資金が流入することでボラティリティの高い相場が散見されます。同時に、上記の銘柄に続く、まだ初動段階にある有望な銘柄も多く控えています。弊社では、今後の市場動向を慎重に見極めながら、これらの有望案件をを最適なタイミングで、有料レポートにて順次配信していく予定です。


