東邦亜鉛(5707)
2026年1月15日の終値は2059円(+400円)となっています
昨年末から東邦亜鉛(5707)には再評価の動きが入り始め、現在は上値を試す局面に入っています。特に2026年1月に入ってからの急騰は値幅を取りに行く動きが顕著で、短期間で株価水準が切り上がりました。この背景としてまず意識しておきたいのが、昨年末以降における銀価格の急伸と高値圏での推移です。
東邦亜鉛(5707)は鉛・銀の製錬を中核とする非鉄金属メーカーで、鉛製錬では国内首位。近年は亜鉛精錬や資源事業から撤退し、銀を含む貴金属製錬やリサイクル、環境関連分野へ経営資源を集中させる事業再編を進めており、足元の銀価格高騰が業績改善に直結しやすい構造を有しています。
またこの銘柄については、弊社の有料レポートにて670円前後で配信した銘柄であり、投機系ファンドが関与する案件として注目してきた経緯があります。
昨今の銀価格の急騰にいち早く反応し、東邦亜鉛(5707)の株価形成に影響を与えたのが、短期需給を重視する投機系ファンドや投機筋です。過去の相場を振り返っても、コモディティ価格の急変を起点に関連銘柄へ思惑先行で資金が流入し、需給の傾斜を通じて株価が押し上げられるケースは少なくありません。
本銘柄においても、700~800円台で長期にわたり滞留していた局面で水面下の仕込みが進み、銀価格上昇が強く意識され始めた年末から年明けにかけて、一気に相場が動き出した可能性が高いと見ています。
もっとも、今回の急騰を銀価格要因だけで説明するのは適切ではありません。直近の決算説明資料では、2026年3月期第2四半期においてEBITDAが黒字化し、亜鉛製錬事業に関する残務費用も当初想定通り概ね第2四半期までで、その計上が下期以降は軽減する見通しが示されました。事業再生の進捗が数値として確認できる段階に入ったことで、これまで過小評価されていた側面が見直される余地は大きかったと言えます。銀価格高騰という外部環境の追い風と、内部要因の改善が同時に意識された点が、株価見直し物色の流れを加速させた要因と言えます。
※ 東邦亜鉛(5707)の日足

テクニカル面では、日足ベースで主要移動平均線をすべて上回り、明確な上昇トレンドが形成されています。価格帯別出来高を見ると、1,200円以上は約2年ぶりの株価水準であり、1,500円付近までは過去の売買が少ない、価格帯別出来高が乏しい商いの薄い真空地帯となっています。さらに2,000円台も売買履歴が乏しく、出来高の薄いゾーンと整理できます。足元の急騰は、こうした需給の空白地帯を一気に駆け上がる形で進行したものと捉えられますが、RSIは高水準に達しており、短期的な過熱感には注意が必要な局面です。
今後の分岐点としては、まず下値は1,600円水準を維持できるかが重要になります。この水準を保ったまま推移するようであれば、見直し物色の流れ(再評価物色)は継続すると見ています。一方で、2,100円前後を出来高を伴って明確に上抜ける場合には、銀価格の動向を背景とした強気シナリオがさらに意識され、次の評価レンジを探る展開も想定されます。
ファンダメンタルズ(基礎的条件)においては、事業再生の進捗が計画通り進むかに加え、高水準の銀価格がどこまで持続するかが引き続き焦点となります。
現時点では期待が先行している側面も否めません。そのため、短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、現在の再評価が今後の業績によって裏付けられるかどうかを、冷静に見極めたい局面です。
現在の市場では、投機性の高い資金が流入することでボラティリティの高い相場が散見されます。同時に、上記の銘柄に続く、まだ初動段階にある有望な銘柄も多く控えています。弊社では、今後の市場動向を慎重に見極めながら、これらの有望案件をを最適なタイミングで、有料レポートにて順次配信していく予定です。

