フジクラ(5803)
2024年10月22日の終値は5058円(-73円)となっています
今年2月以降、フジクラ(5803)はわずか数ヶ月で株価が大幅に上昇しましたが、なぜこれほど急激な上昇が見られたのでしょうか。この急ピッチな株価上昇は、投資家にとってポジティブなサインでありながら、その背景を探る必要があります。ここでは、その要因と今後の展開について詳しく見ていきます。
フジクラは、光ファイバや電線ケーブルを製造・販売する大手企業で、通信、建設、エネルギー関連事業に注力しています。光ファイバ業界では、住友電工や古河電工と並ぶ主要プレイヤーです。また、エレクトロニクス分野ではフレキシブルプリント配線板(FPC)を中心に、自動車用ワイヤーハーネスなども展開しています。
この銘柄は、弊社の有料レポートにて2900円台で取り上げた銘柄でもあります。プライム市場上場の大型株ですが、今年は市場予想を上回る成長性を示し、ボラティリティが拡大しています。
まず、フジクラの株価上昇の背後には、2024年3月期の業績予想が上方修正されたことが挙げられます。特に、エレクトロニクス事業における需要減が想定より軽微で、生産性の改善が進んだことが大きな要因です。さらに、2025年3月期の第1四半期決算では、売上高が前年同期比で15%増加し、営業利益がほぼ倍増しました。この業績の好調さが株価上昇に大きく寄与しています。
加えて、2024年10月8日にゴールドマン・サックス証券がフジクラの目標株価を5100円から7000円に引き上げたことも、株価上昇の一因となっています。このゴールドマン・サックスの投資判断は、これまで想定以上にフジクラの潜在的な成長力が高かったことを示しており、投資家の期待感を一層高めました。このような評価の上昇がさらなる買いを促し、株価の上昇に拍車をかけたのです。
※ フジクラ(5803)の日足
短期的には株価が過熱感を伴い、現在は調整局面にあります。日足チャートでは、10月15日をピークに調整が進んでおり、MACDは売りシグナルを示していますが、RSIは依然50ポイントを上回っており、過去の70ポイント超えからの調整が順調に進んでいます。今後もしばらくは調整が続く可能性がありますが、中長期的には成長を織り込む展開が続くと見られています。
ファンダメンタルズ面でも、フジクラが数年前から取り組んできた事業の選択と集中、コスト削減、ガバナンス強化といった経営改革が業績に好影響を与えています。2022年にはFPC事業やエネルギー事業の組織再編を行い、2024年9月にはコネクタ事業の一部を吸収合併しました。これらの施策が業績を押し上げ、株価上昇の下支えとなっています。
このように、フジクラの株価上昇トレンドは今後も続く可能性が高いと考えられます。投資家としては、このトレンドが続く間、売る理由は少なく、引き続き上値を狙った展開が期待できるでしょう。しかし、市場全体が不安定な状況であるため、リスク管理は欠かせません。市場調整が発生した際には、逆に買いの好機となる可能性もあり、今後もフジクラへの注目が必要です。
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