個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
きょう、日銀は政策金利を0.25%から0.5%へと引き上げました。これは2008年の金融危機以来約17年ぶりの水準で、企業の初任給引き上げや春闘での賃上げが期待される中、インフレ達成に向けた決定とされています。植田和男総裁は、今後の利上げについて「経済・物価・金融情勢次第で判断する」と述べ、状況を見極める姿勢を示しました。
今回の利上げ決定は、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では95%程度の確率で、予め織り込まれていたため、為替相場への影響は限定的でした。東京株式市場では、当初下落したものの、その後持ち直し、最終的に小幅安で取引を終えています。一方、債券市場では2年物日本国債の利回りが0.725%と、2008年10月以来の高水準に達しました。
利上げ決定は、企業の収益性や投資家のリスク選好に影響を与える可能性があり、輸出関連企業は円高リスクに注意が必要です。しかし、利上げ継続シナリオを日本株の追い風と捉える見方もあります。投資家は引き続き、日銀の政策動向を注視し、慎重な投資判断が求められます。