個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
3月の株式市場は、トランプ大統領による関税強化方針への警戒感から、投資家心理が悪化し、大きく値を下げました。しかし、足元では徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。
「恐怖指数」とも呼ばれるシカゴVIX指数は、3月10日に一時29ポイント台まで急上昇し、昨年8月以来の高水準を記録しました。しかしその後、トランプ大統領が関税政策の柔軟性を示唆したことや、米国の製造業・サービス業の好調な経済指標が発表されたことにより、投資家心理が改善し、株式市場は反発しています。
この流れを受け、VIXは3月下旬には17ポイント台まで低下。不安感は後退し、3月初旬の市場の動揺は一時的なものとなり、現在は平常な状態に戻りつつあるように見受けられます。
ただし、株価の戻りには依然として慎重な姿勢が見られ、投資家は警戒感を残しつつ、上値を試す展開が続いています。実際、日経平均株価は25日移動平均線を回復できておらず、米国の主要株価指数であるダウ平均、S&P500、NASDAQ100も同様の状況です。こうした背景から、当面は慎重な相場展開が続く可能性も否定できません。