Synspective(290A)
2025年4月8日の終値は1032円(+108円)となっています
株式市場では、米国による「相互関税」政策をきっかけに、米中間での報復関税が応酬され、市場全体が混乱するなか、投資家の不安心理を示すシカゴVIX指数は、7日に一時60ポイント付近まで急騰いたしました。これは、リーマン・ショックやコロナショック時と並ぶ水準であり、市場の動揺がいかに大きいかを示しております。
きょう(8日)は、前日の急落を受けた自律反発の動きにより、株式市場は全面高の展開となっております。しかしながら、投資家心理の不安定さを示すシカゴVIX指数(恐怖指数)は依然として40ポイント台で推移しており、極めて高い水準が続いております。
一方で、市場全体が不安定な状況にあるなかで、Synspective(290A)の株価が年初来高値を更新するなど、際立った強さを示している点は注目に値します。この背景には、同社の良好な業績見通しに加え、宇宙開発という成長分野への投資資金が集中していること、さらには一部投機性の高い資金による需給要因も、足元の急騰劇に大きな影響を与えているものと見ています。
Synspective(290A)は、小型SAR衛星を使った地表観測を主力事業としており、天候や時間帯に左右されずに地上の変化を把握できる点が特徴です。防災やインフラ監視など、社会インフラ分野での利用が見込まれています。さらに、衛星で取得したデータの解析サービスも提供しており、顧客の意思決定を支援する体制を整えています。ハードとソフトの両面を手がける点が、同社の強みとなっています。
また、この銘柄に関しては、今年1月中旬に弊社有料レポートにて、投機系ファンド絡みの案件として、531円で配信した経緯があります。この規模の小型株になると、値動きはかなり軽いことが大きな特徴で、この傾向はこれまでの株価推移からも見て取れます。
※ Synspective(290A)の日足
市場全体の急落局面においても、Synspectiveが逆行高となっている要因は、複数の面から説明可能です。中でも特筆すべきは、同社の売上の多くが政府関連案件によって構成されている点です。この高い依存度により、民間需要の変動や貿易摩擦といった外部環境の影響を受けにくく、今回のようなトランプ政権による関税強化の影響も極めて限定的であると見られます。
実際、2024年時点で累計92億円にのぼる政府との契約実績に加え、補助金を通じた安定的な資金調達が継続しており、これが同社の堅調な業績見通しを支える柱となっております。この安定した収益構造は、景気動向に左右される他業種に比べて大きな安心材料となっており、投資家からの評価を高める要因ともなっています。
さらに、宇宙戦略基金による大型資金の確保や、30機規模の衛星コンステレーション構築計画、AI解析を軸とした高付加価値ソリューションの展開など、事業拡大のストーリーが明確であることも、長期目線の投資家の資金流入を後押ししていると見られます。
一方で、直近の急激な株価上昇には、一部の投機的資金、特に小型株で動意づきやすいテーマ性銘柄を好むファンド勢の相場への関与も無視できません。同社のような時価総額の小さな企業は、少ない出来高でも株価が大きく動く傾向があり、そうした状況が短期的な株価上昇に拍車をかけた可能性があります。
Synspectiveの2025年12月期の総収入(売上と補助金の合算値)は、前期比143.7%増の61億600万円が見込まれており、成長企業としての注目度が一段と高まっております。
このように、世界的な株安が進むなかで、投資家の資金が宇宙関連銘柄に向かう傾向が強まっています。中でも、Synspectiveはその特殊な事業構造が際立っており、とりわけ政府関連案件が売上の多くを占めることで、景気変動や貿易摩擦の影響を受けにくいという特長があります。
こうした安定的な収益モデルは、トランプ政権による関税政策の影響を受けにくいという点でも評価されており、市場全体が不安定な中でも、投資家資金の「逃避先」として短期資金が集中する要因となっています。また、明確な成長テーマである宇宙開発事業や、短期資金の需給による下支えも重なり、Synspective株の逆行高という際立った値動きを形成しているといえるでしょう。
弊社では、個別材料株物色を取り巻く様々な市場環境を踏まえ、今後の相場において短期的な投資チャンスを的確に捉え捉えることを目指します。収益機会を最大限に活かすべく、今後急速に株価が上昇すると想定される銘柄を既に複数選定しており、その動向をマークしております。
今後、これまでの個別株物色を牽引してきた銘柄とは異なる新たな銘柄群が急浮上してくる展開も十分に想定されると考えております。このような短期的な物色に適した銘柄群については、今後も弊社の有料レポートで詳細な分析とともに急騰候補を取り上げていく予定です。