投機と材料性の狭間で揺れるメタプラネット(3350)、調整局面で次を読む

 

メタプラネット(3350)
2025年7月3日の終値は1567円(+7円)となっています

グロース市場の調整が激しくなる中、25日移動平均線で下げ渋るメタプラネット(3350)に対して、投資家の関心が集まりつつあります。急騰から調整に転じたタイミングで、今後の値動きや下値の目処に注目が集まっています。

 

メタプラネットは、企業再生支援、M&A仲介、スタートアップ支援などの企業向けソリューション事業を手がけるほか、2024年以降はビットコインを財務資産として保有・運用する暗号資産関連事業も展開しています。

また、この銘柄は4月中旬頃の弊社有料レポートにて、330円台で取り上げた実績があります。4月はトランプ関税の影響で株安が進み、物色対象が限られる不安定な相場となりました。そのような中で、5月以降は短期資金が値動きの軽い小型株に向かい、投機的な物色が活発化。メタプラネットもその流れに乗って上昇基調を強めた経緯があります。

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※ メタプラネット(3350)の日足

 

現在の日足を見る限り、株価は25日移動平均線(1542円付近)で下げ渋っており、短期的にはこの水準がサポートラインとして意識されそうです。実際、7月3日の取引では安値1531円をつけた後に反発し、終値は1567円と持ち直しています。

一方で、今後さらに調整が進んだ場合には、ボリンジャーバンドの−1σ(およそ1,340円前後)が次の下値目処となる可能性があります。この水準は、急騰局面における過熱感を冷ます自然な押し目候補として機能しやすいラインです。

さらに深押しとなった場合には、6月初旬の上昇起点となった1,200~1,250円付近が中期的なサポートラインとして浮上します。この価格帯は出来高支持帯も厚く、調整が長引く局面では注目される水準といえます。

 

同社は4月以降、ビットコインを保有する企業としてのテーマ性が再評価され、短期間で大きく株価を上昇させました。一方で、その急騰には投機的な資金の流入も強く影響していたと指摘されています。特に、浮動株の少なさや板の薄さにより値が飛びやすく、短期資金にとっては格好のターゲットとなった側面も否定できません。

2024年以降、同社はビットコインを財務戦略の一部に取り込み、「日本版マイクロストラテジー」として注目されるようになりました。これにより暗号資産関連銘柄としての色彩が一層強まりました。

 

このような背景に加え、昨年の米大統領選でのトランプ氏の再選が、暗号資産関連市場に強い追い風をもたらしました。規制緩和の思惑が現実の政策へと進展し、2025年には複数の大統領令や制度整備が進められています。米国のスタンス転換は、暗号資産市場の中長期的な材料として、今後も注目され続けるでしょう。

さらに、当時のグロース市場全体が強い地合いにあったことも無視できません。特に2025年春先から初夏にかけては、日経平均など大型株指数が伸び悩む中、グロース市場に投資マネーが流入しやすい構造が出来上がっており、この地合いがメタプラネットにも追い風となりました。景気先行きへの不透明感がある中で、値動きの軽さとテーマ性を併せ持つグロース銘柄は、短期資金の流入先となり易い背景があったのです。

 

しかし現在、そのグロース市場には調整ムードが強まりつつあります。グロース市場指数の下げ以上に、個別では10%以上の急落を見せる銘柄も相次いでおり、短期資金の引き上げが進行している印象です。メタプラネットに関しても、急騰からの調整は自然な流れと捉えるべきであり、短期視点では今後一段の下押しも警戒されます。

中長期的には、暗号資産を巡る国際的な制度整備の進展や、デジタル金融技術への取り組みの拡大により、同社のような“テーマ銘柄”が再び脚光を浴びる局面もあるでしょう。

 

特に、米国による戦略的ビットコイン備蓄や規制の明確化は、暗号資産業界にとってポジティブな要素であり、今後も継続的に注目される物色テーマといえます。メタプラネットについても、この材料が今後たびたび再評価され、資金流入する局面が再び訪れる可能性は十分にあります。

とはいえ、同銘柄の投機性の高い特性を踏まえると、今後も「急騰と急落を繰り返す展開」が基本線となります。テーマの将来性に魅力を感じる投資家であっても、短期的なボラティリティには十分な警戒が必要です。特に現時点のようなグロース全体の調整局面では、安易な飛び乗りよりも、押し目を慎重に見極めるスタンスが求められます。

 

 

弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。

また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。

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