イオレ(2334)はAI×暗号資産で株価5倍!相場はどこまで織り込んだ?短期資金が支配する「投機筋の攻防」

 

イオレ(2334)
2024年7月14日 11:06現在の株価は3995円(+545円)となっています

イオレ(2334)の株価は過去3カ月で約5倍に上昇し、現在は3,995円と高値圏で推移しています。この異常ともいえる株価上昇の背景には、AIおよび暗号資産という2大テーマを軸とした一連のIRが存在します。

 

イオレ(2334)は、求人広告サービスやグループ連絡ツールを主軸とした事業を展開しています。また、NFT販売代理やギルド運営といったWeb3領域にも拡大しています。さらに、AI開発支援向けのGPUサーバー販売代理事業を展開しており、将来的にはAIデータセンターの構築・運営も視野に入れている企業です。

この銘柄に関しては、弊社の有料レポートで株価760円付近の段階で取り上げた経緯があり、当時から投機性の高い相場に介入していたと見られる某投機ファンドの動向に注目してきました。その後の急騰局面との関連にも着目してきました。

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急騰相場に発展するまでの過程では、株価を刺激する複数の材料が相次いで発表されました。なかでも、5月に発表されたGPUサーバー販売事業への参入は、AIデータセンター構想の一環として受け止められ、市場にとって非常にインパクトの強い初動材料となりました。

この発表を契機に株価は急伸し、短期資金や投機筋の参入を誘発したと見られます。続いて7月1日には、暗号資産金融事業への正式参入を発表。さらに7月7日にはその事業の詳細も開示され、ビットコインを活用した暗号資産トレジャリーやレンディング事業など、中長期的な収益モデルを視野に入れた展開が示されました。

 

しかし、材料面では市場の注目を集める強力なテーマが相次いでいるものの、株価水準を見る限り、すでに相当程度の織り込みが進んでいるといえます。時価総額は4月時点で約28億円だったのに対し、現在は約150億円にまで拡大。業績は依然として赤字基調であり、実際の利益貢献はこれからです。現在の株価は、将来への期待がすでに織り込まれた水準といえるでしょう。

※ イオレ(2334)の日足

 

足元では、チャート上でMACDやRSIは過熱を示しており、5日線からの上方乖離も大きい状況です。ボリンジャーバンドの+2σを大きく上抜けるバンドウォーク状態が続いており、目先の押し目警戒感は強まっています。出来高も高水準を保っており、短期資金・投機筋の参入が活発化していることは明らかです。

加えて、この相場の根底には、投機ファンドによる“値幅取り”を主目的とした短期的な仕掛けの存在が見え隠れします。例えば、6月下旬から7月上旬にかけては、わずか数営業日で株価を+50%以上押し上げる異常な出来高と連続ストップ高が観測されました。

この局面では、上値を追う個人投資家の買い注文に対して、浮動株の乏しさを突いた売り板コントロールが行われていた形跡があり、典型的な“仕掛け相場”の構造が透けて見えます。

また、暗号資産事業の詳細開示(7月7日)に合わせて再びストップ高となった際には、板の厚さに対して急激に成行買いが集中し、上値を演出する動きも確認されています。これらは、テーマ性に乗じて投機筋が「出来高を伴う急騰→高値圏で売り抜け」という構図を意図的に描いていた可能性を示唆します。

今後の相場展開としては、以下の3つのシナリオが想定されます。

【1】一旦の調整入り後、2,400~2,800円で押し目を形成(ベースケース)

【2】暗号資産関連で追加材料が出れば、再度仕掛けで5,000円台を試す展開(強気)

【3】出尽くし感と地合い悪化で2,000円台前半まで下落(弱気)

 

投資判断としては、短期的には過熱圏での攻防が続く局面にあり、リスク管理を重視した姿勢が求められます。短期資金による相場である以上、材料性以上に日々の需給動向と仕掛けの有無が値動きを左右しており、買いも売りもタイミングが極めて重要です。

現在の相場は、短期的に特殊な状況にあるため、“将来性”よりも“短期の攻防”に目を向ける必要性が高まっています。仕掛け筋の動きが一巡したかどうかを慎重に見極めつつ、次のフェーズに備えるべき局面といえるでしょう。

 

 

弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。

また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。

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