ひとこと・・・ きょうの日経平均は大幅高、強い相場も不安定感は拭えない

個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。

 

 

 

きょうの東京株式市場は、米国の弱い経済指標をきっかけとした利下げ期待が再燃し、全面高の展開となりました。日経平均は900円近い上昇となり、値がさ株を中心に買いが優勢でした。米国市場が金利低下を先取りする形で上昇した流れを引き継ぎ、日本株にも短期資金が流入しやすい地合いでした。この上昇は業績再評価より金利観測の影響が強く、指数主導の色彩が濃い点には注意が必要です。

また、為替はやや円高方向に振れやすく、輸出系や半導体関連の上値を抑える可能性を残しています。足元では大型株が主役で、中小型株への資金循環は限定的で、物色の強弱が目立ちます。短期的には過熱感も意識されるため、上昇一辺倒ではなく押し目や値幅調整を挟みながらの推移となりやすい局面です。

きょうの動きは流れとしては素直で強いものの、スピードがやや速く、短期過熱の色が濃いと感じます。利下げ期待が相場を押し上げていますが、実体の改善が追いついているわけではなく、米指標や為替次第で一時的な反落が入りやすい位置にあります。強い相場ではありますが、上昇の勢いにそのまま乗るより、押しを待つ慎重な姿勢が適していると考えます。