個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
今週の日経平均は、日銀の利上げ観測を受けて大きく売られ、軟調な展開となっています。金利上昇によるハイテク株やグロース市場への逆風や月初のポジション調整が重なり、買いが入りづらい展開でした。
グロース市場は先週こそ自律反発の動きがありましたが、今週は2日続けて大きく売られ、指数は大幅続落となりました。金利上昇は成長株に最も厳しく、個人投資家比率の高い市場特性もあってセンチメントは急速に悪化しています。先週の持ち直しが反発にすぎなかったことで期待が裏切られ、心理的なダメージが広がっています。
東証全体では、金利や外部環境の不透明感が重しとなる一方で、大型株の一部には押し目買いも入り、相場が一方向に傾いているわけではありません。ただし、グロース市場の弱さが個人投資家心理に波及しやすく、市場全体のリスク許容度は低下しており、短期的には慎重姿勢が続きやすい状況です。



