3Dマトリックス(7777)
2025年12月4日の終値は342円(+4円)となっています
新興市場が不安定な中でも、3Dマトリックス(7777)の上昇トレンドは鮮明です。直近ではラクオリア創薬(4579)、オンコリスバイオ(4588)、免疫生物研究所(4570)、トランスジェニック(2342)といったバイオ株に短期資金が流入し、急騰が相次いでいます。この流れはセクター全体の需給を活性化させ、資金の循環が同社株にも波及している点が現在の相場背景として重要です。バイオ関連株における物色姿勢の変化を踏まえ、3Dマトリックスの株価動向を整理します。
同社は、MITの自己組織化ペプチド技術を基盤とし、外科領域や再生医療、DDS分野で医療製品を開発するバイオベンチャーです。中核技術を応用した製品群が事業の柱となり、技術を軸にした成長ストーリーが長期的な評価材料になっています。
また、この銘柄は弊社の有料レポートにおいて200〜220円近辺で紹介した経緯があり、「低位バイオベンチャー」としての材料性だけでなく、将来の成長が静かに相場へ織り込まれていく局面にある点を評価していました。
2025年の同社株は押し目を挟みつつも水準を切り上げ、米国での販売拡大や四半期ベースでの営業黒字化が進んだことで、相場の評価軸は「思惑先行」から「実績と将来性の織り込み」へ移行しつつあります。安定成長フェーズ入りを意識する投資家が増えていることが、中期的な株価押し上げ要因となっています。
技術面では、ハーバード大学との共同研究成果が国際誌Scienceに掲載されたことが象徴的で、自己組織化ペプチド「RADA16」の有用性が国際的に評価された事実は、将来の事業価値を支える技術的な信頼性を高める材料となっています。短期収益への寄与はまだ小さいものの、技術信用力の向上は中期的な評価を引き上げる材料です。
※ 3Dマトリックス(7777)の日足
テクニカルでは、日足が明確な上昇トレンドを示し、25日・75日移動平均はいずれも右肩上がりです。価格帯別出来高では260〜300円に厚い支持帯が形成されており、この帯を上抜けた現株価は需給面で上値が軽い状態にあります。短期の出来高増加も、トレンドの強さを示すサインとして機能しています。
上昇過程では、投機系ファンドの関与が疑われる値動きも散見されます。需給の偏りや心理的節目に合わせて株価を押し上げる“段階的な相場形成”は過去の投機局面でも見られた手法で、9月以降の値動きにはこれに類するパターンが確認できます。出来高急増と節目突破が重なった局面は、短期資金が誘導された可能性を示唆しており、テーマ性の強さを背景に資金が流れ込みやすい地合いが続いています。
今後の分岐点としては、これまで何度も下値支持として機能してきたボリンジャーバンド-1σの維持が鍵になります。ここを保てれば上昇基調を維持しやすく、割り込む場合は260〜280円の支持帯へ向けた調整リスクに備える必要があります。上値では380円が重要な節目で、明確に突破すれば再度の上昇波動が視野に入り、中期的には来期以降の業績期待を織り込む展開へ意識されやすくなります.
総括すると、同社株は現在「将来性を徐々に織り込む過程」にあり、中期的には強含みの流れが続く可能性が高い状況です。一方で、短期的には投機要因による変動も残るため、節目価格を意識しながら、米国での販売進捗やパイプラインの更新を丁寧に確認する姿勢が求められます。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。

