KLab(3656)
2025年12月8日の終値は304円(+30円)となっています
KLab(3656)は本日304円で取引を終え、年初来高値を更新しました。前回投稿した記事以降、相場は押し目を形成しながらも夏場から続く上昇トレンドを維持し、本日のブレイクアウトによって相場の流れが一段階強まった印象を受けます。この記事では、直近の値動きの背景と12月に入ってからの評価の変化、そして現在の株価水準が妥当かを確認しつつ、中期の見通しを再点検します。
~前回の記事~
KLab(3656)急騰の背景、相場を動かすのは業績か!?それとも投機筋か!?相場の分岐点を探る
KLab (3656) は、スマートフォン向けオンラインゲームの企画・開発・運営が主力です。アニメ・コミック原作の人気タイトルを国内外で展開しています。近年、ゲーム開発で培った技術を活用し、AIや生成技術を活かした「AIクラウド」や「生成AIエンタメ」など新領域への拡張を推進しています。また、弊社有料レポートでは、投機系資金が関与する案件として120円台で取り上げました。相場の初動段階から動向を追うことで、高いパフォーマンスを実現した経緯があります。
※ KLab (3656)の日足
足元のチャートでは、9月の急騰後も25日・75日移動平均がそれぞれ下支えとして機能し、出来高帯の厚い240〜260円を明確に上抜けたことで、需給の重さが目に見えて解消されました。本日の大陽線は単なる308円の突破というより、夏以降続いていた上昇波動が再び勢いを取り戻した点が重要です。次の価格帯としては380円前後が意識され、これを越えると長期チャート上で重要な節目となる400円付近が視野に入ります。
また、強い値動きの背景には、短期資金とファンド勢の動きがあります。11月12日に第19回新株予約権の行使がすべて完了したことで、需給悪化要因が解消され、株価の上値が重かった局面が徐々に改善していきました。そこへ、12月5日の第三者割当増資とSun Asteriskとの資本業務提携が重なり、“財務基盤の強化”と“中長期の事業成長余地”を意識した買いが入りやすい状況が整いました。特にUCIをはじめとする割当先の顔ぶれは、市場で注目度が高く、短期筋も含めた資金流入を促す環境になっています。
12月5日のIRでは、調達資金51億円の使途が財務強化70%、ゲーム開発20%、新規事業10%とされました。11月12日の行使完了IRと合わせて、需給面の不安が後退した点は評価できます。ただし、本業の収益がまだ伸び悩んでおり、成長を裏付ける指標が十分に示されていない点は引き続き注意材料です。現時点の時価総額は185億円規模で、事業進展前としては強めに評価されている印象もあります。一方で、市場が“事業転換期に入った”と見ている可能性もあり、株価が期待先行で形成される局面に入っていることは認識しておくべきでしょう。
前回レポートで示した「業績よりテーマ性が先行」「投機筋の影響が強い」「308円が分岐点」という見立ては、基本的に現在も有効です。ただし、その308円を終値で明確に上抜けたことで、次の分岐点は380円台へ切り替わりました。このラインを巡って、短期資金の攻防が生じる可能性があります。
今後の展開としては、ブレイクアウト後の押し目が浅く25日移動平均付近で反発する展開なら上値追いが継続し、380円から400円台が射程に入ります。逆に短期過熱が意識されれば、300円前半の出来高集中帯での利確売りにより260円台までの調整もあり得ます。中期的には、新規タイトル、AI関連領域、Sun Asteriskとの協業で具体的な成果が出るかが重要な材料になります。
投資家としては、短期では今回のブレイクアウトは強いシグナルと捉えつつも、ファンドや短期筋の影響が大きい相場特性を踏まえ、ボラティリティ上昇には警戒が必要です。押し目は25日移動平均〜260円台を基準とし、勢いが続く間は順張りが有効と考えられます。一方、中期では収益化の進展や黒字化といった事業面の裏付けを確認しながら、冷静にリスクを管理する姿勢が求められます。
総じて、短期は強気、中期は慎重というバランスが重要で、市場全体の地合いと個別材料を丁寧に見極めながら対応する局面が続くと判断します。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。


