東亜建設工業(1885)
2026年1月9日の終値は3060円(-90円)となっています
昨年末から明確な上昇トレンドを形成し、特に12月中旬以降の値動きには、株価推移を見る限り、市場での評価が一段引き上げられた局面に入ったと受け取れます。直近の強い上昇は、一時的な思惑によるものなのか、それとも企業価値の再評価が本格的に始まった結果なのか。株価が水準を切り上げる中で、投資家の関心はこの点に集まりつつあります。
東亜建設工業(1885)は、港湾・海洋土木を主力とする中堅ゼネコンです。空港や港湾、防災関連など国策性の高いインフラ案件を数多く手掛け、国内土木を中核に安定した収益基盤を構築してきました。こうした事業特性により、2025年の相場では業績の先行きが見えやすく、相場環境に左右されにくい銘柄として静かに選好されてきました。
また、この銘柄に関しては、弊社有料レポートにおいて2000円付近で取り上げた経緯があります。当時重視したのは、「国策インフラに紐づいた、業績が崩れにくい土木会社」としての物色余地です。
そして、この上昇トレンドの土台にあるのは、短期的なニュースではなく、2025年を通じて確認されてきた業績の安定性です。急成長はないものの、受注残を背景に売上や利益の見通しは大きく崩れず、業績の安定性が市場で評価されてきました。港湾・空港・防災分野と恒常的に接点を持ち、業績が崩れにくい事業構造を備えている点が本銘柄を評価する上で重要なポイントです。
また、年末以降に公表されたIRは、この見方を補強する要素を多く含んでいます。12月19日のCDP評価や1月6日の東証による事例紹介はいずれも新たな収益材料ではありませんが、経営の姿勢や管理体制が外部から確認されたことで、既存の評価に一定の安心感を与えたと整理できます。
※ 東亜建設工業(1885)の日足

日足チャートを見ると、25日・75日・200日移動平均線はいずれも上向きで、トレンドは崩れていません。12月中旬以降の上昇は出来高を伴いながら段階的に進んでおり、短期資金に加えて中期目線の資金が流入していると読み取れます。価格帯別出来高では2,800円前後に厚みがあり、この水準が直近の需給面での支持帯として意識されます。一方、3,200円近辺は出来高が薄く、上値では利益確定が出やすい価格帯です。
企業価値を再評価する動きが株価に表れ、本格的に始まったかどうかを判断する上では、2,800円を維持できるかが一つの目安となります。この水準を保つ限り、業績の安定性を評価する買いが継続していると受け止められ、市場は現在の水準を許容している状態と考えられます。
さらに3,200円を、出来高を伴って上抜けるようであれば、安定成長を前提とした評価が一段進み、株価の定位置が切り上がる展開も想定されます。一方で、2,700円を割り込む場合は、評価の先行部分が一旦修正される局面と見るのが自然でしょう。
ファンダメンタルズ面では、急激な業績拡大を織り込む段階ではないものの、業績の安定性や収益の見通しが評価されてきた結果として、株価は一定の評価水準に到達しています。現時点では割高感が強まっているとは言い切れず、安定成長を前提とした評価余地はなお残されていると考えられます。
ただし、その余地は業績の積み上げや資本効率改善の進捗が前提となるため、過度に短期の値幅を追うよりも、評価が実行や数値として確認できるかを見極めながら、中長期スパンで向き合う姿勢が重要です。
これらの考察を踏まえると、現時点の上昇は思惑先行の相場というより、企業評価の基準が変化し、資本効率や経営の質を重視する見方が株価に反映され始めた結果と整理できます。今後は、この評価が実行によって裏付けられるかが焦点となり、投資家には冷静に株価水準と進捗を見極める姿勢が求められます。
現在の市場では、投機性の高い資金が流入することでボラティリティの高い相場が散見されます。同時に、上記の銘柄に続く、まだ初動段階にある有望な銘柄も多く控えています。弊社では、今後の市場動向を慎重に見極めながら、これらの有望案件をを最適なタイミングで、有料レポートにて順次配信していく予定です。

