個別株投資では、景気や経済、政治、為替、金融政策など、マーケット全体の動向を把握することが不可欠です。これらの要因は相互に影響し合い、投資家心理や短期マネーの流れに影響を与えています。投資機会を活かすためには、こうした外部環境や市場心理をしっかりと理解することが、物色トレンドを見極めるうえで非常に重要です。
昨年末以降、個別株物色は徐々に回復基調にあり、年明け1月に入ってからも短期資金の断続的な流入が続いています。こうした物色の温度感投資家のセンチメントを見極める上で、個別株物色の主戦場である東証グロース市場の動向は、依然として重要な判断材料となります。
※ 東証グロース市場250指数の日足
東証グロース市場は、年末からの戻りが一服し、足元では買い一巡後の小休止局面にあります。年末にかけては日経平均の堅調さや年初特有のリスク選好を背景に、出遅れ感のあったグロース指数にも見直し買いが入りました。年始直後には短期資金の流入も見られ、指数は底打ち感を示す動きとなっています。
ただし1月中旬以降は、上昇の持続力に対する慎重な見方が出始め、指数は高値圏で伸び悩む展開となっています。出来高や売買代金に濃淡が残るなかで上値を追った結果、利益確定売りが出やすくなり、現在は買い一巡後の一服感が意識されています。
個別銘柄を見ても、テーマ先行で買われてきた銘柄や業績面の裏付けが乏しい銘柄では選別色が強まり、指数を押し上げるほどの広がりには、なお一段欠ける印象です。足元のグロース市場は、銘柄間の明暗がよりはっきりと分かれる局面にあります。
注目された23日の日銀の金融政策決定会合では、政策金利は据え置かれ、市場に大きなサプライズはありませんでした。結果を受けた当日の市場では、重要イベントを無難に通過したことへの安心感が広がり、東証グロース市場250指数は728.89ポイント(前日比+13.02、+1.82%)と大きく上昇して取引を終えています。
物価や成長見通しの上方修正が示された点も含め、先行き不透明感が後退したことで、グロース株には買い安心感が意識され、地合いはやや明るさを取り戻しています。
また、取引終了後の日銀総裁会見を受けて、為替市場ではドル円が急激に円高へ振れる場面も見られました。このような円高局面では、内需比率の高いグロース市場は為替感応度が低く、輸出関連株と比べて相対的に物色されやすい、いわば資金の受け皿となりやすい傾向があります。
今後のグロース指数の方向性としては、短期的には戻り売りと押し目買いが交錯する場面を挟みつつも、重要イベント通過後の安心感を背景に、下値を固めながらの推移が想定されます。指数主導で明確な上昇トレンドに移行するには売買代金の持続的な増加が必要となるものの、地合いの改善を受けて、業績や材料を伴う銘柄を中心に物色が広がる可能性は高まりつつあります。
もっとも、年初からの上昇に対する過熱感が整理されつつある現状は、次の物色局面に向けた地ならしと捉えることもできます。東証グロース市場250指数は回復基調を維持しながらも200日線を下回る水準にとどまっており、評価面では依然として見直し余地が残されています。
足元では一服感が見られるものの、年末に好転したトレンド自体が崩れたわけではありません。日銀会合を通過し、不透明感が後退した現在のグロース市場は、方向感を探りながらも、次の展開に向けた準備段階にあるとみられます。指数の動きと併せて、業績やテーマ性を伴う個別銘柄を丁寧に選別する姿勢が、今後の成果を左右する局面といえるでしょう。

