スノーピーク(7816) 信用好取組に拠る需給妙味に注目

スノーピーク(7816)
9月3日の終値は5400円(-130円)となっております

8月13日の決算発表以降は、材料出尽くしから株価は調整となっておりましたが、今週は再び上値を模索する展開へ回帰しております。7月に弊社有料レポートでも取り上げた経緯があり、先週からお問い合わせが急に多くなった銘柄でもあります。

31日の火曜日には再動意から8月高値を上抜く場面も見せており、相場は新たな局面に突入した感があります。注目すべきは、決算発表前後から売り残急増するも、株価は高値圏に位置しており、信用好取組に拠る需給妙味があります。

これらを踏まえ、今後の注目点とポイントを考察していきます。

 

スノーピーク(7816)はコロナ禍で人気化したアウトドア関連銘柄。コロナ禍でキャンプや釣り、バイクなどのアウトドアレジャー人気が高まりを受けるも、営業時間短縮などの対面販売の制約を受けました。しかし、同社はこれに対してEC強化で応え業績を伸ばしております。また、世界的なアウトドア人気を受け、海外市場の開拓へと事業拡大にも積極的な企業です。

また、スノーピーク(7816)に関しては、弊社有料ポートで見直し余地のある投機系資金関与案件として、7月に3500円付近で取り上げた銘柄でもあります。

» 弊社有料レポートについてはこちら

 

期初に21年12月期業績見通しを、売上20500(百万円)、営業益2050(百万円)、経常益2040(百万円)、最終利益1144(百万円)、一株利益12.5(円)としておりましたが、8月13日の決算発表では、売上24500(百万円)、営業益3000(百万円)、経常益3050(百万円)、最終利益1800(百万円)、一株利益20(円)へ上方修正しております。

 

※スノーピーク(7816)の日足チャート

 

8月の相場では決算期待から上昇基調が決算発表直前まで続いていた反動もあり、発表後は利益確定売りに押されましたが、日足はボリンジャーバンド(25日)の+1σ付近で株価は下げ渋りを見せ、その後8月終盤まで揉み合いが続いておりました。

注目すべきは、決算発表前後から売り残が急増するも、株価は高値圏に位置しおり、取り組み妙味が出てきております。目先は売った投資家が買い戻しを迫られるような展開を見せるなら、更に値が飛ぶ可能性があります。需給妙味から下がりにくく、上値追い易い状況と言えます。

 

決算後に材料出尽くしで休場した相場が一旦崩れ掛けたことや、テクニカルではオシレータ系指標のMACDやRSIは買い継続を示唆するも、共にラインが平坦になりつつある様子から、相場の基調はそれほど強い動きではないことも空売りを誘う要因になっている可能性があると考えております。

 

予想PERは決算前まで60~70倍程度で推移しておりましたが、8月の決算通過後は2021.12期に対する会社見通しの上方修正を受けて50倍台まで低下。同じく東証一部の同業他社と比して低いとは言えないPERですが、グロース性の高い同社株の評価から、PERが高めに推移してきた過去があります。

最高益を塗り替えている成長株として、コロナ禍以降は特にPERが高に推移するトレンドが顕著で、スノーピーク(7816)は50倍台~70倍台で推移してきた経緯があり、且つ業績への「のびしろ」への期待感から株価が将来を織り込むポテンシャルを未だに秘めていると見ております。

 

これに加えて、信用取り組み面での売り残増による需給妙味が出てきた格好で、目先は仮に押しても売り方の利益確定(買い戻し)に下値がサポートされ易く、依然成長性を織り込んでいる段階から、中長期中目線の投資家にとっても押しに対する買い需要の高さがあります。

この相場は需給妙味から更に上値を追う可能性があり、資金が動き易い地合いになりつつある現状も踏まえ、強い動きが継続する可能性があると見ております。

 

青天井相場につき、上値の予想は難しい状況ですが、ファンダメンタル的には予想PER60倍台後半までは、直近一年の相場を振り返っても何度か見られた水準であることを考慮すると、依然織り込む余地があると見ております。また、短期目線においても日足のトレンドが崩れる(現時点で8月23日安値割れ)まで上昇基調が継続していると判断し、上昇基調に付いて行く方針でも良いかもしれません。