アートスパークHD(3663)
9月17日の終値は958円(+62円)となっております。
8月後半には一時800円台を割り込む水準まで調整が進んだ銘柄ですが、先週は75日移動平均を上へ抜けてから上昇に弾みが付く展開となっております。
株式市場全体で見直しの機運が高まっている9月は、アートスパークHD(3663)においてもこの流れが再燃しており、やはり気になるのは、今後7月高値を試しに行くかが注目されます。
※アートスパークHD(3663)の日足チャート
アートスパークHD(3663)は、弊社「個別銘柄戦略レポート」において、ヘッジファンドが狙う有望案件として「投機性も兼ね備えた相場」へ発展する見込みのある銘柄としては配信した経緯があります。
アジア圏を中心とした、イラスト・マンガ・アニメーション制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」(※通称「クリスタ」)の拡販が成長を牽引しており、引き続きファンダメンタルズ面において主力事業の契約の伸びが天井を打った印象を受けず、今後の株価には「のびしろ」があると見ております。
~前回までの記事~
アートスパークHD(3663) 25日移動平均突破から上値追い加速。今後の見通しとポイント
アートスパークHD(3663) 最高値を更新でこれだけは押さえておきたいポイント
前回記事以降、7月28日に通期見通しが上方修正されたものの、直前まで上値を追いの展開が続いていたこともあり、材料出尽くしから8月は大きく調整を余儀なくされました。
夏枯れ相場の影響もあったか思われ、8月6日の第二四半期決算発後も売りが続きました。しかし注目すべきは、事業の体質自体が、売り上げの伸びがそのまま利益に転嫁され易いフェーズに達している点でしょう。
前回記事でも書きましたが、「中長期的には依然成長を織り込み途上段階」にあり、第二四半期決算を確認すると、
売上高は前年同期比16%増ですが、営業益、経常益、純利益が倍増しております。前回記事で書いた、「事業体質自体が、売り上げの伸びがそのまま利益に転嫁され易いフェーズに達してきた印象が強い」を裏付ける内容となっております。
アジア圏を中心にクリスタのシェア拡大は続いており、売り上げ増による経費の増加は限定的であることから、売り上げの多くが今後の利益押し上げ余地に寄与すると見ております。
この流れから、PERにおいても業績推移を追う毎に低下しており、株価織り込み余地が拡大する流れが続いております。
前回記事更新時(通期見通し上方修正前)のPERは35倍程度でしたが、時価PERは23倍水準まで低下。8月の調整で値ごろ感が出ていることも考慮すれば、月次のIRから「クリスタ」の出荷本数やサブスクプリション契約数の推移を見守っていく必要はありますが、7月高値更新は十分射程圏内にある銘柄と見ております。
成長が続いているうちは決算発表毎に株価への織り込み余地が拡大することから、成長の「のびしろ」を株価が織り込む流れが続くと見ております。