自律反発の動きが続く株式市場。海外勢の売りはピークを迎えた可能性あり

今週の日経平均株価は8日続落の後、週末に掛けて2営業日続伸と戻りを試す開となっております。日足を見ると、9月前半の急騰から一転して急落相場に転じており、上昇・下降共に10%を超す乱高下が続いております。

 

※日経平均の日足チャート

 

7日の発表された投資部門別売買動向を見ると、先週(~10/1)は海外投資家が1兆円を超す売越額が判明。

9月17日まで4週連続で日本株を買い越した海外勢ですが、この間の買越額は現物・先物合算で2兆2923億円に達しており、投資家主体別の中では断トツで買いの筆頭。しかし、9月後半からは2週連続で売り越しとなっており、売越額は現先合算で2兆376億円と、9月前半の買いを概ね吐き出した格好となっております。

 

日経平均の日足からも海外勢の動きがそのままチャートに表れた格好。菅前首相の辞任を好材料と受け取った海外勢の買いは、9月の「日本株独歩高」の背景となりましたが、岸田新総裁誕生と共に一転して海外勢の失望売りが一気に出た様子が窺えます。

 

海外投資家の売りがある程度吐き出された為、今後の海外勢に拠る売り圧力は減ると思われますが、一方で、先週(~10/1)は個人が現先合算で8014億円の買い越しと、買いの筆頭へ躍り出ております。

押し目買いを好む個人は今回の急落局面で買いに動いた様子が窺えますが、市場を取り巻く環境は改善傾向とは言え依然不透明感が強い状況。足元の自律反発一巡後に株式が再び下げるようなら、この個人の買いが一転して売り圧力になる可能性には留意しておく必要があると考えております。この個人の押し目買いが、今後吉と出るか凶と出るか注目されます。