ビザスク(4490)
10月22日の終値は5960円(+500円)となっております。
先週は15日の決算発表を受けて、週明けから利益確定売りに押され急落。この相場は、9月後半以降は乱高下の展開が続いており、かなり不安定な状況となっております。
ビザスク(4490)は8月後半に弊社有料レポートで取り上げた経緯があり、乱高下の展開が続いていることから、最近はお問い合わせの多い銘柄でもあります。
レポートでは、投機性の強いファンド絡みに案件として4000円付近で配信した銘柄です。8月からはマザーズの見直し物色の流れに乗り、株価は短期倍増を達成したものの、9月後半からは地合いと歩調を合わせるように調整局面へ突入しております。
ビザスク(4490)は、業界・業務経験を有する個人のアドバイザーと、その知見を活用したい企業とをマッチングするプラットフォームを提供。専門知識を持つ経験者の知見やノウハウの共有化で、顧客事業の加速と効率化をサポートします。主力サービスである「ビザスクinterview」の拡大が業績を牽引。
また、8月には同業の米コールマン・リサーチ社を買収するなど、市場規模や商習慣などアクセスが困難な海外の一次情報の収集に注力するなど、経営側の積極的な事業拡大姿勢が窺えます。
業績は高成長が続いておりますが、10月15日に発表された21年6-8月期(2Q)はM&Aコストが利益を圧迫し赤字転落。併せて、第四四半期(21年12-2月期)から買収したコールマン社の業績連結を実施することを踏まえ、従来の通期業績予想を取り下げ、未定に修正しました。
ただ、コールマン社を含まない通期連結業績予想(2021年3月~2022年2月)に対して、会社側は直近の良好な業績動向を踏まえ、売上高2400百万円(前期比1.49倍)、のれん償却前営業利益400百万円(前期比1.73倍)と予想しております。これにコールマン社の第四四半期業績及びのれん償却費用が加算され、最終的に営業損失は250百万円を予想。
投資家目線では、成長期待が高い企業であるものの、不透明要因が増した印象は拭えず、足元の相場が乱高下するのも頷けます。
※ビザスク(4490)の日足チャート
日足は、9月28日に高値7120円を示現後に大きく値を崩しており、10月5日には5340円まだ急落。この際の下落幅は‐25%に達しております。5000円台前半は今年1月高値水準にも該当し、強い下値抵抗として機能している水準と言えます。
しかし、その後もこの値幅で乱高下を繰り返していることから、先行き見通しは非常に難しい局面にあると言えます。
先週末22日の強い値動きを見ると、投資家の押し目買い意欲の強さが窺える反面、直近の相場では株価が短期倍増していることを考慮すれば、短期需給が足元の乱高下に大きく作用している様子が見受けられます。このことから、目先は地合い次第で上へも下へも振れるリスクが高い状況にあると認識しております。
今回のコールマン社買収は同社の業績に大きな影響を与えましたが、完全子会社化に伴う事業のグローバル化と海外知見の取り込みから、今期赤字転落の可能性は高いものの、同時に来期以降の「のびしろ」が拡大した可能性がある点も見逃せません。今後米コールマン・リサーチ社の付加価値をどれだけ引き出せるか注目されます。
この手のグロース株はPERが極端に高いうちは成長途上にあることを示唆する傾向が高い為、依然高いポテンシャルを秘めている銘柄であると考えております、故に、長期目線では成長余地の高さから、押し目は拾いた銘柄ですが、目先は相場の方向性が見通し難い状況にあることから、短期需給と株価の動きが落ちつくまで控えたいところでしょう。