先週末17日の日経平均株価は前日比500円を超す大幅反落。この日は米国株式の下落や、日銀金融政策決定会合を受けて大きく値を下げたものの、週間では小幅続伸で取引を終えております。
先週(~12/17)の株式市場は、米FRBをはじめ欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英BOE)、日銀の金融政策決定会合と中央銀行イベントが相次いだこともあり、指数は乱高下の展開となりました。
先週(~12/17)の各市場の動き (週間騰落率)
<国内市場>
日経平均株価 28,545.68 +0.38%
TOPIX 1,984.47 +0.46%
東証二部 7,454.54 -0.42%
JASDAQ 177.40 -0.84%
マザーズ 963.66 -6.49%
ドル/円 113.68 +0.26%
<アジア市場>
上海総合指数 3,632.36 -0.93%
香港ハンセン 23,192.63 -3.35%
韓国総合株価指数 3,017.73 +0.25%
<米国市場>
S&P500 4,620.64 -1.94%
NASDAQ総合 15,169.7 -2.95%
NYダウ 35,365.44 -1.69%
シカゴVIX 21.57 +15.41%
<欧州>
ユーロ・ストックス50 4,161.35 -0.90%
独DAX 15,531.69 -0.59%
英FTSE100 7,269.92 -0.30%
仏CAC40 6,926.63 -0.93%
<その他>
WTI原油 70.30 -1.91%
NY金 1,798.35 +0.76%
米10年債利回り 1.407 -5.72%
BTC/円 5,366,127 -5.62%
注目された米FOMC(FRB)では、テーパリングを前倒しして3月には量的緩和の終了を発表。来年3回の利上げ見通しも示唆しており、この発表を受けた15日の米国株式市場は「FRBのタカ派色が事前予想内」との見方から買い戻しの動きが加速したものの、その翌日以降から後週末に掛けては大きく値を崩す展開となっております。
米FRBのタカ派への転換は、足元で過熱する「インフレ」に対して非常に神経質になっている様子が見受けられ、米国株がNASDAQを中心に乱高下している様子から、株式市場にとっては波乱要因となっている様子が窺えます。
しかし、FRBはインフレに対して「然るべき」対応をしていると取ることも出来、混乱している市場が落ち着きを取り戻せば、景気回復を再評価する流れに回帰するか注目されます。また、週末17日の米国市場は先物取引と株価指数オプション取引、個別株オプション取引が重なるトリプルウィッチング(メジャーSQ)であったことも、週末の指数が乱高下に影響した可能性があると見ております。
今年の米国株は高値圏で推移してきたこともあり、SQ前後は大きく下げるケースが目立ち、SQ通過後の翌週は早々に回復するパターンが多かったことから、今週の米国株は落ち着きを取り戻す動きが出るか注目されます。
今週の日本株は、外部要因に振られ易い背景から、週明けは17日金曜日の米株が大きく下落していることを受けて売りが先行しそうですが、12月初旬の安値からの戻り基調を維持できるかが注目されます。
2021年の日経平均は昨年末比で4%ほど上昇している水準にありますが、年初来23%上昇しているS&P500や15%上昇のNYダウと比べて見劣りするほか、足元で金利上昇に強い景気に敏感なシクリカル(景気循環)を見直す動きが強まっている背景から、波乱の中央銀行イベントが集中する週を通過したことで、年末に掛けては落ち着きを取り戻す可能性があると見ております。
一方で個人投資家比率の高い新興市場は、引き続き年末特有の「税金対策売り」が予想され、上値の重い展開が想定されます。先週は日経平均、TOPIXが辛うじて上昇したのに対し、二部指数をはじめJASDQ、マザーズなどの中小型株市場が下げております。
特にマザーズは週間で-6%超の下落と、指数としてかなり大きな下落を記録しております。個人投資家比率の高い市場であることから、今後追証絡みの売りが加速することが懸念されます。
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