先週の株式市場は戻りを試す展開となりました。日経平均の日足は25日移動平均線上へ回復しましたが、マザーズが依然同ライン下での推移となっており、自律反発の域を超えない状況と見ております。
ただ、日経平均は小幅ですが3週連続の上昇。マザーズ指数は4%を超す大幅反発となっております。一方で、JASDAQが週間でマイナスとなっている様子から、依然中小型株は不安定な動きが続いている様子が窺えます。
※日経平均の日足チャート
※マザーズ指数の日足チャート
今週は年内最終取引となりますが、受け渡しベースでの最終取引日は2021年12月28日(火)です。年末特有の「税金対策売り」はピークアウトした感はありますが、年末年始に国内市場は休場(12月31日~1月3日)となる中、欧米市場は取引がありますので、この間の変動リスクを避ける為のポジション整理の動きが出る可能性はあります。
海外投資家勢がホリデーシーズンに突入している為、例年大きな動きは出難い時期の為、最終取引日である28日通過後の市場は、緩慢な動きを想定しております。
先週(~12/24)の各市場の動き (週間騰落率)
<国内市場>
日経平均株価 28,782.59 +0.83%
TOPIX 1,986.78 +0.12%
東証二部 7,521.41 +0.90%
JASDAQ 175.22 -1.23%
マザーズ 1,003.36 +4.12%
ドル/円 114.38 +0.62%
<アジア市場>
上海総合指数 3,618.05 -0.39%
香港ハンセン 23,223.76 +0.13%
韓国総合株価指数 3,012.43 -0.18%
<米国市場>
S&P500 4,725.78 +2.28%
NASDAQ総合 15,653.4 +3.19%
NYダウ 35,950.56 +1.65%
シカゴVIX 17.96 +16.74%
<欧州>
ユーロ・ストックス50 4,265.86 +2.51%
独DAX 15,756.31 +1.45%
英FTSE100 7,372.10 +1.41%
仏CAC40 7,086.58 +2.31%
<その他>
WTI原油 73.28 +3.50%
NY金 1,809.20 +0.22%
米10年債利回り 1.493 +8.45%
BTC/円 5,804,518 +9.45%
米国株は高値圏へ回帰しましたが、11月以降この高値水準で何度も跳ね返されてきた経緯から、目先は高値を更新する強い動きが出るか、又は再び跳ね返されるのか注目されます。最近の日本株は中国株と連動し易いことから、年初来安値圏にある香港市場の動きなども注視しておくべきでしょう。
また、年末年始はオミクロンの感染拡大リスクにも気を付ける必要があります。日本を含め米国など先進国でオミクロンの市中感染が急増しております。ただ、南アフリカで「オミクロン株の感染」が確認されてから1か月になりますが、現在南アフリカでのオミクロン感染例は急速に減少しております。
わずか一か月で急増→急減となっていることから、感染サイクルの早さが指摘されているほか、無症状感染者の多さや重症化率の低さなども、マーケットの動揺が限定的となっている要因と見ております。
オミクロンに対する恐怖新や警戒感が消費を委縮させる側面はありますが、マーケットが重要視するのは、今回の感染拡大で、各国政府のロックダウンや入国規制といった経済に影響を与える規制策が強化されるかどうかです。しかし、現時点ではこの動きは限定的なものに留まっております。