ドリームインキュベータ(4310) 劣悪な市場環境の中、投機系資金による株価吊り上げ工作が加速! 今後の注意点

今週は上値追いが加速。昨年末は調整局面となりましたが、直近の値動きは昨年末の強さが戻っております。今週は昨年2月の戻り高値である1782円を上抜いており、相場は新たなフェーズへ突入しております。

現状の劣悪な市場環境やテクニカル面における過熱感から、強気を維持するのは難しい背景もあることから、今後の相場展開が非常に気になる局面を迎えております。

 

ドリームインキュベータ(4310)は、ベンチャー育成と投資、企業コンサルティングを事業の柱とするベンチャーキャピタルです。この銘柄に関しては、昨年11月に弊社有料レポートにて800円台で配信した経緯のある銘柄で、レポートでは水面下でこの相場に関与している“某投機筋“の動きにフォーカスして値動きを追って参りました。

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※ドリームインキュベータ(4310)の日足チャート

 

レポート配信当時の800円台という水準は、2020年3月に「コロナショック」で株式市場が急落した時の安値水準でもあり、底値圏からの見直し余地にも注目した銘柄でもあります。昨年12月以降は急速な戻りを見せ、年安津年始は緩慢な動きとなる場面もありましたが、現状の相場は投機筋主導の展開に回帰しております。

 

ファンダメンタルズや材料面においては、さして目を引く手掛かりが見当たらない銘柄ですが、急騰相場の背景にはやはり投機筋がらみの案件として、水面下で株価吊り上げ工作が進んでいる状況にあります。

今の地合いは多くの銘柄が下げている局面だけに、この手の強い値動きをする銘柄には、行き場のない短期資金が集中的に流れ込み易い特性を活かした相場とも言えます。

 

注目すべきは、短期資金の集中流入の影響からか、日足のRSIは70%超えが常態化しており、これが異常に強い相場であることを裏付けております。上値追いが1か月半もの間に亘り続いている様子から、介入している投機筋の本気度が窺えます。

 

※ドリームインキュベータ(4310)の週足チャート

 

この手の投機筋は、短期間に大きな利益を得ることを目的とする為、特定の銘柄にターゲットを絞り、集中的に相場を仕上げてくる傾向があります。今週は昨年2月の戻り高値や、2019年6月の高値水準である1780円付近の上値抵抗を突破したことで、目先は2000円大台を窺う局面に突入しているものと考えております。

現状は日足のボリンジャーバンドにバンドウォークが発生しており、強いトレンドが発生していることを裏付けております。週足を見ると昨年2月の高値を突破しており、今後2000円も抜けるようなら、2200円が視野に入れた相場展開も想定されますが、2000円付近では戻り売りが強く意識される水準であることから、今後はかなり乱高下を伴う値動きが予想されます。

 

今後の注意点としては、ボリンジャーバンドの+1σを割り込む場面や、モメンタムに変化の兆しが出てきたら警戒を高める必要があるでしょう。足元の強いモメンタムの息が切れれば、不透明感の強い相場に転じる懸念があると考えております。今はチャートが良好なことからもう少し上値を追うものと思われますが、今後は持ち株を徐々に減らす売り場を模索していく局面と見ております。