東京電力HD(9501)
5月11日の終値は505円(-14円)となっております
エネルギー市況の高騰を受け、電力需給が逼迫。再生エネルギーなど代替エネルギーへの関心が高まるなか、電力安定供給の観点から、国内では「原発再稼働」への声が高まりを見せています。柏崎刈羽原発の再稼働の可能性を手掛かりに、東京電力HDの株価は、2月のロシアによるウクライナ侵攻を契機に、上値追いが止まらない状況となっています。
※東京電力HD(9501)の日足チャート
東京電力HDは、3月に弊社の有料レポートで取り上げた銘柄でもありますが、時価総額8000億円規模の大型株が、当初はここまでボラティリティが高まるとは見ていませんでした。
安定供給が難しくコストの高い「脱炭素エネルギー」は、依然発展途上段階にあり、燃料コストの上昇を背景に、電気料金の上昇が続く現状は、国内で原発再稼働への声が高まるのも必然と言えます。
また、東電HDにとって柏崎刈羽原発の再稼働は「経営再建のカギ」となる重要な要因だけに、足元の値動きから投資家の関心の高さが窺えます。
しかし、国内での原発再稼働は「賛否が分かれるテーマ」だけに、実現性は不透明。また、22年1-3月期(4Q)の連結経常損益は272億円の赤字。燃料調達費の膨張で収益環境は今後も厳しい状況が続くことから、収益圧迫懸念があります。
このような観点から足元の、再稼働を手掛かりとした上げ幅拡大は、非常に投機性が高い相場と言えます。
ただ、不確実性の高い手掛かりだからこそ「思惑」が先行し易いテーマでもあり、物色難の現状ではこのテーマは何度も蒸し返される可能性があると見ています。
時価PBRは0.25倍とこの10年で最低水準。株価は3月安値から66%上昇したとはいえ、コロナ前の水準をようやく取り戻した水準。カラ売りが今後伸びてくるようなら、まだまだボラティリティの高い相場が続くと見ています。
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