明治海運(9115)
6月21日 前引け時点の株価は1307円(+26円)となっております
6月8日に高値1614円示現後は調整を余儀なくされています。株式市場全体が軟化する動きと歩調を合わせるように、現状は高値から19%程度下落した水準にあります。
今日は地合いの改善もあり、下げ渋りの兆しが見られますが、6月前半は目先天井を示唆する動きも出ただけに、今後の相場展開が気になる銘柄でもあります。
この銘柄は弊社有料レポートにて、某投機筋介入案件として700円台前半で取り上げた銘柄でもあります。ガーラ(4777)やレオパレス(8848)など、投機性の高い3桁低位株の一角として思惑が先行し易い銘柄であり、投機性の高い資金が流入している背景があります。
明治海運(9115)はタンカー・自動車専用船およびばら積み船などの不定期船を保有。船舶オーナー会社を海外に擁し、貸船料収入を得る船舶貸渡業が柱です。
注目すべきは、海運株の中でも直近の上昇パフォーマンスが、他の海運株よりも高いこと。背景として、海運業以外にもホテルや飲食業も展開していることで、インバウンド関連や経済再生関連としての材料性で相場が人気化した経緯があります。
※明治海運(9115)の日足チャート
日足は下落基調が継続。短期間で急騰した後だけに、下落幅も大きくなっている点は止むを得ない処ですが、株価は依然25日移動平均上を維持しており、他の海運株とは一線を画す状況です。世界的株安の地合いの中では底固い印象があります。
現状は、下方にある25日移動平均を意識した展開から、同水準付近では押し目買いも意識され易いものの、MACDは陰転したばかりの他、日柄面での調整も不足しており、需給面において調整不足の感は否めません。
水準的には、もう一段の値幅調整が進む可能性があると見ております。
目安としては、3月高値の1124円付近が一つの節目と見ております。価格帯別出来高においても、1300円から1100円付近の商いが少なく、時価から一旦下振れると、一気に1100円付近まで一気に下落する懸念があります。
また、現状の海運株を取り巻く環境を考慮すると、投機筋の仕掛け的な動きが今後(調整一巡後)も続くかも不透明な状況になりつつあると見ております。
インバウンド期待のある銘柄ですが、売り上げ構成の90%超は海運事業。インフレ期待の上昇とともに株価水準を吊り上げてきた海運株は、一旦ピークアウトした感は否めない為、インバウンドやトラベル関連としての材料性だけでは魅力に欠けます。
現状は、目先は1100円台まで調整する可能性があり、その後の動向を見極める上で、不透明な要素が多い銘柄。一方で、明治海運(9115)の短期急騰に関与した投機系資金の、次なる「値幅取り候補の存在」が浮上しており、今後注目していくことになりそうです。
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