低位株JVCケンウッド(6632)、今後の注目点

 

JVCケンウッド(6632)
11月7日の終値330円(-11円)となっております

先月末に発表された23年3月期末の業績予想では、通期営業利益を80億円から208億円へ上方修正。これを受けて株価は急騰。23年3月期末業績予想の中身を見ると、無線システム分野の伸びが目立ちます。

この分野の売上比率は全体の約21%ですが、営業利益の約57%を占めており、無線システムの伸びが著しい様子が窺えます。

 

公表された決算説明資料では、米国を中心に無線システムの需要が拡大基調にあることを背景としていますが、注目すべきは、この需要増が継続するかどうかに尽きます。

11月7日終値時点のPERは3.5倍、PBR0.57倍と純資産を割り込んだ水準にありますが、電気機器セクターはバリュー株が多い為、慢性的にPBR=1倍割れ銘柄はザラに存在します。この為、純資産を割り込んだ今の水準をもって「割安」とするのは早計かと思われます。

 

しかし同社の業績変化に対して、PER3.5倍という水準には割安感があります。今期末1円増配で利回りは2%程度という点からも、水準的には見直し余地があると見ています。

前提として、業績上振れ期待が続くことが条件となりますが、同社のファンダメンタルズから、次回の四半期決算は投資家の関心が高まる(期待)ことが予想される為、この相場は中期的にも上昇基調が続く可能性あると見ています。

 

JVCケンウッド(6632)に関しては、弊社有料レポートで低位株物色の流れに注目して200円付近で取り上げた経緯があります。今年の8月中旬~9月中旬頃は、主に低位株を中心にレポートで取り上げていた時期でもあり、プレイドや北の達人、日本駐車場開発といった低位株がその後大きく急騰した経緯があります。

 

※ JVCケンウッド(6632)の日足チャート

 

きょうは大きく値下がりしていますが、日足の各テクニカル指標は買い継続を示唆。しかし、RSIが先週末(11月4日)時点で91.24を記録しており、短期的には買われ過ぎの印象は否めません。

JVCケンウッド(6632)の過去の相場ではRSIが85を超えることは異例で、過去を遡ると2014年7月に85を記録して以来の水準です。当時の値動きはRSIが85に達した日に相場は短期的なピークつけ、その後RSIが50を割り込むまで調整が続きました。

しかし当時の相場では、その後に再度高値を更新する相場へと発展した経緯があります。今回も当時と同様の展開になるとは限りませんが、類似点として2014年7月当時も、今回の相場も初動段階の急騰であることです。

 

現時点では業績に対する先行き期待感が高まっているものの、不透明な要素も多いのは事実。しかし逆に、この手の不透明な期待を含む材料は、思惑が先行し易い上に、低位株で値動きの軽い同社株へは個人マネーも流入し易い背景から、短期需給を「てこ」に相場の仕手化・投機色が強まる可能性を秘めます。

目先は、信用規制に注意しつつも先週末時点の信用買い残高がどこまで伸びたかに注目。「増加した信用残=新たな売り手」なので、短期目線ではこの売り需要を吸い込むだけの新規の買いが入るのかが注目されます。

短期需給が急激に変動している為、株価は乱高下の展開も予想されます。特に注目すべきは、調整入りした場面でどこまで下げるのかがポイント。今後は度々押し目買いのチャンスが訪れる案件と見ています。

 

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