今週末の日経平均株価の終値は30800円で、コロナ以降の高値を抜いたと同時に、バブル崩壊後の高値も更新しています。
背景には足元で円安の流れ出てきていることに加え、米債務上限問題合意への期待感が株価を押し上げた格好となっています。
※ 日経平均の日足チャート
ただ、日経平均の日足はRSIが80を超えているほか、25日騰落レシオが慢性的に120を上回っており、短期的な過熱感は否めません。経験則から、短期目線では今後調整する可能性が高まっていると見るべきでしょう。
しかし、注目すべき点は足元の日経平均の上昇がトレンドとして今後も続くかどうかという点です。
今年4月以降の日経平均上昇に乗れていない投資家も多いと見ていますが、目先は楽観ムードに警戒しつつ、調整があれば買い場となるかを見極める必要がありそうです。
現状で気になる点として、マザーズやグロース市場が振るわない状況があります。日経平均への寄与度の高い一部の大型株が中心的に買われている現状は、経験則からこのような上昇が長続きしない場合が多くありました。
※ マザーズ指数の日足チャート
この為、今後は中小型株へも資金が回り、日経平均をキャッチアップする動きが出るか注視する必要があります。
また、4月以降の日経平均のパフォーマンスは、米国をはじめ他国の主要株価指数をアウトパフォームしています。円安が再燃しつつあることも背景にありますが、海外投資家が日本株を見直す兆しが出てきている点にも注目しています。
主体別売買動向では、5月第二週までに海外投資家が日本株を7週連続で買い越しています。
過去にもこういう場面は数年に一度ありましたが、現時点では海外勢の日本株に対しては、打診買いの域を超えない状況と見ています。つまり、本格的な日本株見直しには至っていません。
この為、今後の海外投資家の動向が日本株トレンドに大きな影響を与えてくると見ています。
一方米国市場では、今後の景気見通しとこれに伴うFRBの政策方針が非常に見定め難い環境となっています。
指数の動きは方向性を書いており、投資家が米国株への投資に二の足の踏んでいる状況が窺えます。これらから、消去法的に40年ぶりのインフレを迎えた日本株が、見直され易い環境になっている可能性もあります。