不透明感の強い地合い!先行きを見通す上で金融政策の行方に注目

 

きょう(2023年8月23日)の日経平均の終値は、32010.26円(前日比+153.55円)と3日続伸。

今週は「ジャクソンホール会議(今年は8月24日から26日に開催)」でのパウエル米FRB議長の講演内容に注目が集まります。今後の“利上げ政策の行方”を占う上で、投資家の関心が高いイベントです。

 

※日経平均の日足チャート

 

気になるニュースとしては、足元で米大手格付け会社が一部米地銀を格下げしたことを受けて金融株に売りが出ています。今年3月からの銀行リスクが依然燻ぶっている様子が見て取れます。

また、中国の不動産問題が世界的に報じられているように、中国経済の減速が顕著です。マーケットは世界経済の減速に発展することを警戒。米FRBの追加利上げの憶測も株式市場の足を引っ張る状況

 

こういった不透明感が強い局面では、株価は下がり易くなります。マーケットは先行き想定し難い場面を最も嫌いますので、この投資家心理が今の株価の動きにも顕著に表れているように思われます。

 

欧米市場に目を向けると、NYダウやS&P500は日経平均と比べてやや弱い値動き。ここ数日下げ渋りとなっているものの、調整が一巡したかを判断するには時期尚早でしょう。

日経平均もこの動きと歩調を合わせて、8月18日に一時は31275円まで売られていますが、現状は下げ渋りとなっています。

 

振り返ると、今年前半の株式市場は6~7月に掛けて33700円台まで株高が続きました。

世界的に金融政策が一斉に利上げへ向かうなか、昨年の株式市場が利上げ政策を織り込もうと大きく下げた反動が出た格好です。

 

昨年は利上げ一色のなか、企業業績の先行き悪化を織り込む相場となりましたが、ある程度の株価下落でこの材料は織り込まれてきた印象があります。

今年に入り、不景気が強く意識されるなか、株式市場が安定したのは、既に昨年下落で織り込まれてきたという理由が挙げられます。市場は将来を先取りで織り込む習性がある為、今後の株式市場を見据える上では、「利上げ政策の終焉」とその先を見据えていく必要があるでしょう。

 

気になるのは今後の見通しですが、今は短期的に先行き不透明感が強い局面にあるものの、ジャクソンホール会議や9月FOMCといった重要イベントを消化するに従い、徐々に霧が晴れてくる相場展開を想定。

楽観的に聞こえるかもしれませんが、やはりその先には米金融当局の「利上げ政策の終焉」が見えているからだと考えています。