レノバ(9519)
2024年4月26日の終値は1474円(-13円)となっています
今週は株式市場全体が手探りで戻りを試す展開となる中、レノバ(9519)は年初来高値を更新。4月に入ってから強い値動きが目立つようになってきました。
週末に掛けては利益確定売りに押されたものの、引き続き注目すべき銘柄と認識しております。しかし、大型連休明けには決算発表も予定されている銘柄ですので、いくつかの注意点についても書いていきたいと思います。
やはりこの銘柄が注目される根底には、エネルギーの大部分を輸入に依存している我が国にとって、危機感を覚えるほどの円安が昨今進行中であり、エネルギー関連銘柄への関心がマーケットでも高まっている背景があります。
レノバ(9519)は再生可能エネルギー発電事業を中心に展開する企業であり、太陽光、バイオマス、風力、地熱といった地域に根ざした再生可能エネルギー資源を活用。特に2023年には電力貯蔵バッテリー事業にも進出するなど、事業の多角化を進めています。
またこの銘柄は、弊社「個別銘柄戦略レポート」において、ヘッジファンドが狙う有望案件として「投機性も兼ね備えた相場」へ発展する見込みのある銘柄として、今年3月に取り上げ配信した経緯があります。
レノバの株価は2024年に入ってから上昇基調が明確であり、この株価上昇の背景には今期(2023年4月~)の収益性の向上があります。既報の今期(2023年3月期第三四半期まで)の業績は、投資家にとって魅力的な成長性を示しており、株価を押し上げる要因となっていると考えられます。
また、同社は4月1日に東京ガス株式会社との資本・業務提携を発表しており、新たな株式を第三者割当により発行することで、両社のシナジーを生かした事業拡大を目指すことを発表。この提携により、レノバは2030年までに運転中の発電所の設備容量をさらに拡大し、再生可能エネルギー源と蓄電池事業の開発を加速することを目指しています。
再生可能エネルギーの採用拡大に伴い、電力貯蔵バッテリー市場の成長が期待されており、レノバはこの市場での地位を固めるための戦略を進めています。投資家にとっては、持続可能なエネルギーへの移行が進む中で、レノバのような企業は魅力的な投資対象となります。
※ レノバ(9519)の日足チャート
日足に目を向けると、注目すべきは3月後半から4月前半に掛けて200日移動平均(チャート上赤ライン)を試す相場が続いたものの、結局同ラインを突破することに成功。それ以降の相場は上げ足を速める展開となっています。
4月1日に東京ガスとの資本業務提携及び第三者割り当増資が発表されてから、この手掛かりが買いなのか売りなのか投資家の間でも賛否が分かれました。東京ガスとの資本業務提携をメリットとする一方、第三者割当増資による希薄化により既存株主の利益が減少することが懸念されました。
しかし、結局は買いが勝った様子が、このIRの発表以降から200日移動平均を上抜く過程において、この間の投資家心理が上手くチャートに表れています。
200日移動平均線は、短期的な株価変動の影響を受けにくいため、長期的なトレンドを把握するための重要なテクニカル指標です。同ラインは価格のサポートラインやレジスタンスラインとしても機能し、価格がこのラインに接近した際のマーケットの反応を予測するのにも役立ちます。
株価が200日移動平均線より上にあるか下にあるかで、長期目線でのトレンドを把握するために有効な指標です。今回このラインを上回ってから投資家が強気に転じている様子もこのことを裏付けています。
株価の動向に関しては、短期目線で5月8日に決算発表を控えていることもあり、このイベント前後では不安定な動きも想定されると見ています。目先的に4月は大きく上昇した反動も予想され、基本的に決算発表日に向けて上昇してきた銘柄は、発表を契機に利益確定売りが出易い場面を迎える点は留意しておく必要があります。
再生可能エネルギーというテーマ自体は循環物色される手掛かりである為、中長期目線で注目したい銘柄です。しかし、短期目線では決算発表という重要イベントが通過するまでは、ポジションを落とすなどの対応が必要と考えます。仮に今後、不安定な局面で値を下げる場面があれば買いの好機と見ておりますが、決算発表を見極めてから次の対応を判断しても遅くないと思われます。
今後の見通しを総合的に見ると、東京ガス株式会社との資本・業務提携の手掛かりや2023年後半以降に業績に大きな変化(好転)の兆しが見られることなどから、依然株価には大きな“のびしろ”があると見ております。
足元の上昇が一過性の材料で動いている銘柄ではなく、今後も時間をかけて同社の変化(成長性)が株価に織り込まれていく相場をイメージしています。
故に繰り返しになりますが、目先は不安定な動きも想定されるものの、基本的に不安定な局面で値を下げる場面があれば中長期目線で買いの好機と見ています。しかし、短期目線では決算発表を見極めてから次の対応を判断しても遅くないと思われます。
環境問題への意識が高まる中、レノバのような企業は、持続可能な社会への移行を支える重要な役割を担っています。この点は理想にとどまらず、同社の今後の業績推移にも現れてくると見ており、投資家にとって同社株は魅力的な投資対象となるでしょう。
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