8月5日の日経平均株価は終値が31,458.42円となり、この時点での予想PER(加重平均)は13.01倍となっています。最近で最も高かったPERは、7月11日の42,224.02円で記録した17.58倍です。
一般的に、日経平均のPERは14〜16倍で推移することが適正とされているため、これまでの下落によって割高感はかなり解消されたと見ることができます。
しかし、このPERの基となるEPS(一株当たり純利益)は、最近の急激な円高が企業の業績に及ぼす影響を反映していないことを考慮する必要があります。
一方、米国株市場ではS&P500指数の2025年の予想EPSは約278ドルで、8月5日の時点でのPERは18.6倍です。S&P500指数のPERは、過去5年平均が約18.5倍、過去10年平均が約17.3倍であることから、現在の水準は依然として割高感があると指摘されています。
株式市場において、景気後退期にはPERが下方修正され、景気拡大期には上方修正される傾向があります。そうした点を考慮すると、景気後退懸念が高まっている米国市場では、依然として割高修正の余地があると考えられます。
日本市場における最近の動きは、米国市場や為替動向の影響を受けていますが、円高が企業の業績予想に与える影響は今後の決算シーズンで明らかになるでしょう。特に輸出企業にとって、円高は利益を圧迫する要因となり得るため、為替動向には注意が必要です。今後の市場動向を見極めるには、各企業の業績発表とともに、経済指標や世界的な金利動向を注視する必要があります。
投資家にとっては、割高感が解消されたとされる日本株の投資機会を模索する一方で、世界経済の動向やリスク要因にも目を向け、慎重な投資判断が求められる局面と言えるでしょう。