GMOフィナンシャルゲート(4051)
10月15日の終値は29690円(+1820円)となっております。
同社の株価は9月30日に一時34650円まで急騰したものの、その後は地合い悪化を受けて大きく値幅調整が進みました。10月11日には直近高値からの下落幅が23%に達し、市場全体が調整したものの、下げ幅の大きさが目立ちます。
ただ、今回の調整ではこの手のグロース株に幅広く見られる傾向であることから割高感が修正された現状は押し目買いの好機と見ております。日足は25日移動平均付近で下げ渋りの兆しを見せており、調整一巡感が台頭しつつあります。今後相場が反転するのか注目される局面を迎えております。
この銘柄は、8月の4-6月期決算発表直後に見直し余地の大きな銘柄として、弊社有料ポートにて、20000円付近で取り上げた銘柄でもあります。夏枯れ相場で値動きの乏しい時期でもありましたが、9月以降は見直しの動きが一気に加速した背景があります。
※GMOフィナンシャルゲート(4051)の日足チャート
GMOフィナンシャルゲート(4051)は、主に小売や飲食店等での対面決済向けに、クレジットカードや電子マネー等によるキャッシュレス決済に必要な端末の販売やプラットフォームサービスを提供。親会社であるGMOペイメントゲートウェイ(3769)が通販サイト等のオンライン(非対面)決済を対象とする一方、同社は実店舗向けに特化しております。
周知のとおり、実店舗向けの決済はコロナ禍の影響を受けた事業者が多く、同社の業績も昨年(2020年の4-6月期及び7-9月期は売り上げが低迷しております。ただ、同社は実店舗のなかでもIoT領域(精算機・券売機・自販機・セルフレジ等)における提携パートナーや展開領域の拡大にも注力しており、実店舗におけるセルフ化や省人化に対する需要を捉えております。
加えて、対面型決済向けでの次世代端末・プラットフォーム「stera」の販売が伸びており、高成長路線へ回帰が鮮明となっております。
時価29690円水準は値幅調整後とは言え、PER300倍台と割安とは言えません。しかし、飲食店等の実店舗ビジネスがコロナ禍から急回復が期待される局面にあり、脱コロナに伴う対面販売ビジネスの決済規模の回復は、同社の利益率の高い「ストック型ビジネス」の売り上げ拡大にそのまま直結する為、業績は新たな成長ステージへ突入するポテンシャルを秘めております。
日足は回復の兆しを見せておりますが、いくつかのテクニカル指標においては調整一巡を示唆するに至っておりません。しかし、足元で売り込まれたグロース株を見直す動きが出てきているほか、リスクオンの地合いに転じつつある市場環境を踏まえ、目先は直近高値水準である34650円(9月30日高値)を試しに行く展開を想定しております。ポイントとしては、今後ボリンジャーバンド(25日)の+1σを上へ抜けられるかが大きなカギになると見ております。